2006.04.08

『ねずみくんとホットケーキ』なかえよしを/上野紀子

ねずみくんとホットケーキ
ガールフレンドのねみちゃんは、お料理が上手なんだって! ねずみくんはりすさんやぞうさんたちと一緒に、みんなでねみちゃんのお料理を食べに行くことにしました。
「ぼくはバナナのお料理がいいな」
「わたしは、クルミのお料理がいいな」
「ぼくは、チーズのお料理がいいなあ」
口々に自分の好きなものを挙げるみんなに、ねみちゃんは困った顔。それもそのはず、だってねみちゃんはねずみくんに「ホットケーキ作るの」って言ったはずだったのですから。さて、ねみちゃんは何を作ってくれるのかな…?

* * * * *

『ねずみくんのチョッキ』に始まるねずみくんシリーズの第14巻目。やわらかな鉛筆で描かれたかわいくて親しみやすいキャラクターたち、シンプルな文章でさらりと読ませるほのぼのした絵本です。

ねみちゃんは「ホットケーキを作る」とねずみくんに伝えたはずだったのに、「お料理上手」ばかりが印象に残ってしまったねずみくんは、ホットケーキのことをすっかり忘れてみんなを誘ってしまいました。だからみんな口々に勝手なことばかり言っちゃうのです。ホットケーキの材料しかないし、でもみんなの要望にはできるだけこたえてあげたいし…。悩みに悩んだねみちゃんの解決策に、みんな大喜び。「おいしい〜!」と喜ぶみんなに、ねみちゃんはひと安心するのでした。

名作絵本といえば必ず取り上げられる「ねずみくんシリーズ」なのに、そういえばなぜだかわが家ではあまり読んだことがありませんでした。たまたま図書館でこの本を手にとって、わたし自身がホットケーキに目がないこともあり、すぐさま借りてきました。5歳の長男も2歳の次男も大喜び。シンプルなお話なので、楽しめる年齢層はかえって幅広いのかもしれません。

黒、黄、赤の3色印刷なのに、描かれたホットケーキのおいしそうなこと。読み終えるとホットケーキが食べたくてたまらなくなります。
読み聞かせは2歳ごろからどうぞ。

オススメ度
よん(母)------------------> ★★★
ルンバ(長男/5歳5カ月)-> ★★★
パルタ(次男/2歳5カ月) -> ★★★

▼『ねずみくんとホットケーキ』>>amazon | >>bk1
▽ なかえよしを(作) 上野紀子(絵)/ポプラ社(2000/09)/印刷:瞬報社写真印刷/製本:大村製本
▽かな/32ページ/25cm

▽なかえよしを プロフィール:神戸生まれ。日本大学芸術学部美術科卒業。

▽上野紀子(うえの・のりこ)プロフィール:埼玉県生まれ。日本大学芸術学部美術科卒業。

▽関連情報
ねずみくん公式サイト

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2006.03.26

『動物げきじょう<21幕>』アリスとマーティン・プロベンセン

さまざまな動物たちが、
ウィットたっぷりにふるまうお話

動物げきじょう〈21幕〉

お母さんに頼まれた男の子が次々といろんな動物に変身する「おつかい」。夏の暑い日、ライオンが散髪にやってくる「とこや」。大切なシカの子が王様に狩られないように隠す「冬のはなし」。オオカミがだれかのおばあさんに化けたときに見破るポイントを図説した「オオカミのみわけかた」…。

草原の動物、森の動物、家のまわりの動物、鳥や魚など、さまざまな動物たちのお話が長いものも短いものも含めて全部で21幕。なんともお得感のある、ボリュームたっぷりの絵本です。ロシアアヴァンギャルドを彷彿とさせる絵は愛らしく、ところどころに散りばめられたユーモアにくすりと笑いながら読みました。

初めて読んだ時、『動物げきじょう』というタイトルを読み上げた途端に長男は「えっ、どうぶつげきじょう?! おもしろそう!!」と目を輝かせていました。なにせボリュームたっぷりなので、全部読むのはなかなか骨が折れますが、ウィットに飛んだお話の数々、長男にはとても面白かったようです。すぐさまお気に入りの絵本になりました。これだけの内容で2000円なら安いかも。

読み聞かせは5歳前後からどうぞ。

オススメ度
よん(母)------------------> ★★★
ルンバ(長男/5歳5カ月)-> ★★★
パルタ(次男/2歳4カ月) -> ★★☆

▼『動物げきじょう―21幕』>>amazon | >>bk1
▽アリスとマーティン・プロベンセン(作・絵) 乾侑美子(訳)/童話館出版(1997/11/10)/印刷・製本:大村印刷
▽漢字かな/52ページ/32.3×24.7cm

▽アリスとマーティン・プロベンセン(Alice & Martin Provensen)プロフィール:妻のアリスは1918年アメリカのシカゴで生まれる。夫のマーティンは1916年シカゴ生まれ。1人ともシカゴのアート・インスティテュート、カリフォルニア大学を卒業する。アリスはさらに、ニューヨークのアート・ステューデント・リーグで学び、1942年にカリフォルニアに移り、ウォルター・ランツ・スタジオでアニメーションの仕事につく。マーティンは、1938年ウォルト・ディズニー・スタジオで働き始める。2人はアメリカ海軍の映画制作中に出会い、1944年にワシントンで結婚。1940年代後半ニューヨークに移り、いっしょに子どもの本の挿絵の仕事をするようになった。本作品は、文も絵も2人でかいた最初の子どもの本で、1952年に出版された。1984年には『パパの大旅行』(福音館書店)でコールデコット賞を受賞。最後のページまで2人とも納得するまで描き加えたり削ったりして制作するのが夫妻のやり方で、その作品は40点にも及ぶ。1987年、マーティンは心臓発作で永眠。

▽乾侑美子(いぬい・ゆみこ)プロフィール:1941年生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒業。JBBY会員。英・独・デンマーク語の、主に児童文学の翻訳にたずさわっている。

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2006.03.02

『べろべろばあ』さとうわきこ

ねずみとねこが繰り広げる、
おかしなおかしな化かし合い。

べろべろばあ

「べろべろ ばあ!」
「ギャウーおばけだ」
ねずみとねこが、ユーモアたっぷりのあの手この手で相手をおどかそうとします。次は一体どんなおばけが出てくるのかな? ばばばあちゃんシリーズでおなじみ さとうわきこさんの絵本。

構成はいたってシンプル。ねずみとねこが交替でおばけに扮しておどかしあいっこを繰り返します。なんとか相手をぎゃふんと言わせたくて、次々新しい方法を考えては登場する2匹ですが、ねずみのほうがどうやら一枚上手の様子。ねこはねずみのアイデアを真似るばかりだから、ねずみはあんまり怖がらない。それどころか、おばけになって登場したねこに対し、いたずらを仕掛け始めるのです――。

* * * * *

長男も次男も一読して大好きになった絵本です。なにせ、ねずみのアイデアが素晴らしい。新しいおばけが登場するたび、「今度はどうやってるんだろう?」と想像し、種明かしの後、なお楽しい。子どもたちも一緒になって「べろべろばあ!」「きゃーこわいー」と大騒ぎしながら読んでいます。

0〜2歳の赤ちゃんを想定して作られた絵本という感じなので、2歳の次男のハマりようはとりわけすごい。「ネコチャンノオバケ、ヨンデー」と言いながら毎晩持ってきて、一度読み始めると何度も「ヨンデ」を繰り返します。時には自分でぱらぱらページをめくり、「ベロベロバー」「コワクナイヨー」と読んでいることも。わたしが読み始めると、「ウワー、コアイネー」「キャハハ!」と実にいいリアクション。読んであげていてうれしくなっちゃうほどです。

一方5歳の長男も、読み終えた直後から「これ、おもしろいね!」。彼は文字中心の長い絵童話もよく聞くけれど、こういう赤ちゃん絵本も大好きなんですよね、今でも。そんな長男の姿を見て、赤ちゃん絵本の奥深さをしみじみ感じる今日このごろです。

ばばばあちゃんでわが家にはおなじみだったさとうわきこさんですが、モノクロの絵は初めて見ました。この絵本はモノクロの鉛筆にクリーム色で着彩した2色印刷。カラーとはずいぶん印象が違うものですね。表情豊かでユーモラスな登場人物の動きはカラーの時そのままに、ちょっと落ち着いた印象の画面になっています。

読み聞かせは1歳前後からどうぞ。
こずえ1977年刊の再刊です。

オススメ度
よん(母)------------------> ★★★
ルンバ(長男/5歳5カ月)-> ★★★
パルタ(次男/2歳4カ月) -> ★★★

▼『べろべろばあ』>>amazon | >>bk1
▽さとうわきこ(作・絵)/フレーベル館(2001/04)/印刷:凸版印刷
▽かな/32ページ/18×18cm

▽さとう わきこプロフィール:東京生まれ。日本児童出版美術家連盟会員。絵本『とりかえっこ』にて第1回絵本にっぽん賞受賞。作品に“ばばばあちゃんのおはなし”シリーズ、『せんたくかあちゃん』など多数。諏訪湖畔と八ヶ岳で「小さな絵本美術館」を主宰。

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2006.02.28

『でんしゃにのって』とよたかずひこ

うららちゃんが乗ったのは、
ちょっぴり変わった電車だったのです。

でんしゃにのって

うららちゃんは一人で電車に乗っておばあちゃんのところへおでかけ。ガタゴトーガタゴトー。目指すは「ここだ」駅です。「つぎは わにだー わにだー」アナウンスが聞こえて電車が停まり、乗り込んできたのは……?

* * * * *

電車が駅に停まるたびアナウンスされる駅名を聞きながら「次に乗り込んでくるのはなにかな?」と想像するのが楽しい、ほのぼの絵本。答えは実に簡単なのですが、その単純さが子どもたちにはいいみたい。電車好き次男のために借りてきたら予想通りはまり、「ガッタンコ、ヨンデー!」と毎日繰り返していました。いろんな動物が次々登場するのもいいんです。

とよたかずひこさんの絵は、筆で描いたような強弱がしっかりついたしなやかな描線とパステルピンクの着彩とがあいまった、ほんわかした印象。やさしい気持ちになれる絵、そしてお話です。

乗り物好きな子に。読み聞かせは2歳前後からどうぞ。

オススメ度
よん(母)------------------> ★★☆
ルンバ(長男/5歳4カ月)-> ★★☆
パルタ(次男/2歳3カ月) -> ★★★

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▽ とよたかずひこ(作)/アリス館(1997/06)
▽ かな/36ページ/26cm

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2006.02.27

『はけたよはけたよ』神沢利子/西巻茅子

自分でできるって、うれしいね!

はけたよはけたよ

たつくんはね、ひとりでパンツがはけないんだよ。だって、ふらふらするんだもん。「パンツなんかはかないや」おしり丸出しのまま たつくんが外にかけだすと、いろんな動物たちがやってきて、たつくんのしっぽのないおしりをじろじろ見て笑うんだ…。

* * * * *

初めて自分でパンツがはけたときのうれしさ、誇らしさを描いた絵本。「じぶんで!」の言葉が出てくる時期は、ちょうど「いや!」の言葉が増える時期でもあります。「パンツなんかはかない!」とたつくんみたいにおしり丸出しで逃げ出しちゃう子どもたち、これを読んだら「パンツをはいたおしりって、かっこいい!」と思えるかもしれないし、たつくんの真似をしてみたら意外に簡単にはけるかもしれないですね。

さて、わが家の次男もそろそろ着替えの時「じぶんで!」の言葉が出てきたので、この本を読んでみました。でも、あれれ? 次男も眺めていたけれど、今回はどちらかというと長男のほうが大喜びで聞いています。保育園で読んでもらったことがあるらしく、「わらわれちゃうんだよね!」などと次の展開はわかっていたようだけれど、わかっていても面白い!という感じ。次男のツボにはまるのは、もしかするともう少し後なのかもしれません。

クレヨンと水彩でのびのびと描き上げた感じの絵は表情も仕草も愛らしく、まるで子どもが描いた絵のようで親しみやすい。ピンクの描線に黄色や水色を着彩する明るく可愛い色の組み合わせも西巻さんの絵の特徴です。

読み聞かせは2歳ごろからどうぞ。

オススメ度
よん(母)------------------> ★★☆
ルンバ(長男/5歳4カ月)-> ★★☆
パルタ(次男/2歳3カ月) -> ★☆☆

▼『はけたよはけたよ』>>amazon | >>bk1
▽ 神沢利子(文) 西巻茅子(絵)/偕成社(1970/12)/印刷:精興社/製本:難波製本
▽ かな/32ページ/26cm

▽神沢利子(かんざわ としこ)プロフィール:福岡県生まれ。文化学院文学部卒業。詩人・児童文学者。少女時代を樺太(現サハリン)で過ごし、そこで知った星空のあこがれは代表作『ちびっこカムのぼうけん』に結晶した。以後、絵本、童謡、童話の世界に、すぐれた作品を数多く発表している。

▽西巻茅子(にしまき かやこ)プロフィール:東京生まれ。東京芸術大学工芸科卒業。在学中よりリトグラフにとりくみ、1966年日本版画協会展に初出品で新人賞、67年同展で奨励賞を受賞した。絵本画家としても、のびのびした線と明るい色調で『わたしのワンピース』ほか多くの作品を発表している。

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2006.02.26

『へんしんトンネル』あきやまただし

やみつきになっちゃう言葉遊びの本。

へんしんトンネル

この「へんしんトンネル」をくぐると、なぜかいろんなものが変身しちゃうんです。時計がトンネルをくぐると…毛糸に?! トンネルの秘密とは、一体…?!

* * * * *

ーー一つのことばを何度も続けて言っているうちに、別の言葉に変身してしまうことがあります。そんな言葉遊びを楽しむのが、この絵本。読み方にちょっとしたコツがいるけれど、ひとたびツボにはまったら子どもたちはもう夢中。5歳の長男も2歳の次男も「もう1回!もう1回!」と毎日のように連続コール。もう一段階アップして自分で同じ言葉遊びが考えられるようになると、より楽しめるのでしょうね。すっかり内容を暗記してしまった長男は、次の段階まであと少しかな? 次男も少しずつ内容を覚えて、復唱しながら聞いています。

あきやまただしさんの絵はとてもコミカルで、眺めているだけで笑顔になります。色づかいも入り組んでいない明るさで、いかにも楽しそう。

読み聞かせは、言葉をある程度お話できるようになった2歳ごろからどうぞ。

オススメ度
よん(母)------------------> ★★★
ルンバ(長男/5歳3カ月)-> ★★★
パルタ(次男/2歳2カ月)-> ★★★

▼『へんしんトンネル』>>amazon | >>bk1
▽ あきやま ただし(作・絵)/金の星社(2002/9)/印刷:廣済堂/製版:光明社/写植:松竹写植/製本:福島製本
▽ かな/32ページ/24.6cm

▽ あきやまただし プロフィール:1964年、東京生まれ。東京芸術大学デザイン科を卒業。『ふしぎなカーニバル』で第14回講談社絵本新人賞を、『はやくねてよ』で1995年に本絵本大賞を受賞。

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『ぴょーん』まつおか たつひで

なるほどこの手があったのか!
思わず膝打つしかけ絵本。

はじめてのぼうけん〈1〉ぴょーん

かえるが、ぴょーん。こねこが、ぴょーん。いろんな動物がぴょんぴょんはねる。その繰り返しのシンプルな絵本なのだけれど、本の形状をうまく使って、「ぴょーん」の様子をダイナミックに見せてくれる楽しい絵本。「はじめてのぼうけん」というシリーズ名にふさわしい、赤ちゃん大喜びの一冊。

* * * * *

初めてこの本に出会ったのは、とあるおはなし会でのことでした。ビッグブックを使っての読み聞かせだったので、物理的な画面の大きさによるダイナミックな動きとこの本の仕掛けの面白さとがあいまって、それはもう衝撃的な楽しさだったのです。ぜひ次男にもこれを読んであげなくちゃ…と図書館で手のひらサイズの普通版を探して借りてきました。

早速読んでみると、2歳の次男はもちろんのこと、5歳の長男まで大喜び。「よんでよんで」の大喝采です。2見開き1セットのこの単純な内容でここまで魅せるのは、実はかなりすごいことなのではないでしょうか。

作者は松岡達英さん。昆虫を題材にした絵本をたくさん描いている方で、虫好きの長男はもちろん、わたしも大好きな作家さんです。非常に細密だったりリアルだったりする絵を描くことの多い方なんですが、この絵本は恐らくコラージュの技法を活用しているからでしょうか、いつもとはガラリと雰囲気の違う、シンプルで愛らしい絵になっています。飛び上がっている動物たちの姿はかなりユーモラスで楽しい限り。

もう読み尽くした!というくらいに何度も読んでさらにリクエストされたある晩のこと、長男があることに気がつきました。奥付の前ページに描かれているカエルの様子が、表紙に出てくるカエルとはちょっと違っていたのです。長男に言われるまでまるで気づかなかったわたしは、ただただ感激。こんなにシンプルなこの絵本のなかに、こんな風にさりげなく「発見の種」「会話の種」を潜ませてくれていた松岡達英さんが、ますます大好きになりました。

自信を持っておすすめしたい赤ちゃん絵本です。もちろん0歳からどうぞ。

オススメ度
よん(母)------------------> ★★★
ルンバ(長男/5歳3カ月)-> ★★★
パルタ(次男/2歳2カ月)-> ★★★

▼『ぴょーん』>>amazon | >>bk1
▽ まつおか たつひで(作)/ポプラ社(2000/6)/印刷:瞬報社写真印刷/製本:大村製本
▽ かな/36ページ/16cm

▽ まつおか たつひで(松岡達英)プロフィール:1944年、新潟県長岡市生まれ。自然科学、生物のイラストレーターとして活躍中。世界各地での取材にもとづく多くの科学絵本を発表している。『すばらしい世界の自然』で厚生省児童福祉文化賞、『熱帯探検図鑑』で絵本にっぽん賞、『ジャングル』で厚生省児童福祉文化賞と科学読物賞を受賞。好きな食べ物はイワシとトビウオ。

▼関連情報
松岡達英のアトリエ Green Works:公式サイト

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2006.02.25

『なつのゆきだるま』G.ジオン/M.B.グレアム

はかない存在だからこそ
ゆきだるまって、特別なんだ。

なつのゆきだるま

冬の最後の雪の日に、ちいさなちいさなゆきだるまを作ったヘンリー。おつきさまがゆきだるまを溶かしてしまうんじゃないかと心配で、夜も眠れない。そこでいいことを思いついたんだ。ヘンリーは、夏になってもゆきだるまをとっておくことに成功した。独立記念日、町の人たちみんなにそのゆきだるまを見せたんだけど……。

* * * * *

今年の1月に大雪が降った時に作ったゆきだるまを、わが家の長男はヘンリーと同じようにしてとっておいています。ちょうど同じ体験をした後だったからでしょうか、読んでいるとぐいぐい話に引き込まれているのが手に取るようにわかりました。途中まですごくうれしそうに聞いていたのですが、夏になってヘンリーがみんなにゆきだるまを見せている間のゆきだるまの変化に「あああーっ……」としょんぼり。でもそんな起伏もすごく面白かったようで、読み終えてすぐに「もう1回よんでほしいなー」とリクエストしていました。

『どろんこハリー』>>amazon でおなじみの名コンビの絵本。モノクロのペン画を基調に淡い黄色や赤、青などでうっすらと色づけをしただけの、もしかすると少々地味に感じるかもしれない色彩ですが、グレアムの描くキュートな登場人物たちが表情豊かに動き回る画面にあっては、そんなことは気になりません。控えめな色彩はむしろ想像力を働かせるにはもってこい。とりわけ月夜のゆきだるまの様子は、そのシンプルな色彩がとてもよい雰囲気を醸し出しています。

読み聞かせは3、4歳ごろからかな?
雪降る冬にも暑い夏にも楽しめる絵本です。

オススメ度
よん(母)------------------> ★★★
ルンバ(長男/5歳3カ月)-> ★★★
パルタ(次男/2歳2カ月)-> ★★★

▼『なつのゆきだるま』>>amazon | >>bk1
▽ジーン・ジオン(文) マーガレット・ブロイ・グレアム(絵) ふしみみさお(訳)/岩波書店(2003/10/21 原著“THE SUMMER SNOWMAN”は1955)/印刷:半七印刷/製本:牧製本
▽かな/32ページ/

▽ジーン・ジオン(Gene Zion,1913-75)プロフィール:アメリカのニューヨーク生まれ。妻のマーガレット・ブロイ・グレアムとともに十数册の絵本を作った。『どろんこハリー』『うみべのハリー』『はちうえはぼくにまかせて』など、素朴な発想をもとにしたお話で親しまれている。

▽マーガレット・ブロイ・グレアム(Margaret Bloy Greham,1920-)プロフィール:カナダのトロント生まれ。ニューヨークでファッション雑誌のイラストを描き、その後絵本づくりをはじめる。夫との共同作品のほかに、『ベンジーのふねのたび』『あらしのひ』などがあり、いきいきとした楽しい絵で人気がある。

▽ふしみみさを(伏見 操,1970-):埼玉県生まれ。洋書販売会社勤務をへて、絵本の翻訳、紹介にとりくむ。仏語、英語をこなし、ユーモアあふれるセンスが注目されている。訳書に『モモ、しゃしんをとる』『なかよくなんかならないよ』『あそぼうマクス』『はなくそ』などがある。

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2006.02.24

『ペレのあたらしいふく』エルサ・ベスコフ

ものづくりの奥深さと尊さが、
読むたび心に染み入ってくる。

ペレのあたらしいふく

ペレは自分だけの子羊を1匹飼っていた。ある日、自分の服が小さくなったことに気づいたペレははさみを持ち出し、子羊の毛をみんな刈り取った。それをおばあちゃんのところに持って行き……。

* * * * *

自分だけのかわいい子羊から刈り取った毛を、労働の対価としていろいろな大人たちに協力してもらいながら服に仕立てていき、最後にとびきり素敵な新しい服を手に入れるペレのお話。

羊の毛を布にし服に仕立てるまでにどんな過程があるのか、その仕事に携わる人たちがどんな暮らしを営んでいるのか、仕事をして対価を得るというのがどういうことなのか。読めば読むほどいろいろなテーマが岩に染み入る水のように心の中に入ってくる絵本です。

1回読んだ後すぐに「もう1回!!」となるような面白さが突き上げてくるタイプの本じゃないのだけれど、じわじわとその良さが伝わるのか、初めて読んだ後、数日おいて長男から再リクエスト。そうやって長い期間かけてゆっくりじっくり、ものづくりの奥深さを味わってほしいお話。

たくさんの人の手を借りて、最後にようやくできあがった新しい服を身にまとったペレと、そんな彼を見る子羊。2人の誇らしげな表情が印象的です。絵がシックできれいなのもいい。

読み聞かせは4歳頃からどうぞ。

オススメ度
よん(母)------------------> ★★★
ルンバ(長男/5歳3カ月)-> ★★☆

▼『ペレのあたらしいふく』>>amazon | >>bk1
▽エルサ・ペスコフ(作) おのでらゆりこ(訳)/福音館書店(1976/2/3)/表紙レイアウト:辻村益朗/印刷:精興社/製本:大村製本
▽かな/15ページ/24×32cm

▽エルサ・ベスコフ(Elsa Bskow)プロフィール:ピーターラビットの作者ビアトリクス・ポターに匹敵すると言われるスウェーデンの絵本作家。その33冊にも及ぶベスコフの絵本は、広く世界中の子どもたちに喜ばれ、今も愛されている。ストックホルム生まれ。少女時代から絵が好きで芸術学校に学び、卒業後母校の小学校の画の先生になった。1897年、牧師のナタナエル・ベスコフと結婚、教師をやめて絵本や児童書の挿絵の仕事を始めた。本書『ペレのあたらしいふく』は絵本作家として最も油ののった1910年代に作られたもの。1952年、子どもの本に対するスウェーデンの最高賞、ニルス・ボルゲンソン賞を受けた。1874〜1953。

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2005.10.12

『かぼちゃスープ』ヘレン・クーパー

時には違うこともしてみたい、
そんな気持ちが仲良し3人組に巻き起こした大騒動

かぼちゃスープ
世界一おいしいかぼちゃスープを作るなかよし3人、ねことりすとあひる。いつも役目は決まってる。ねこが切り分け、りすがかきまぜ、あひるが塩で味つける。スープを飲んだら、演奏会。バグパイプを吹くねこと、バンジョーを弾くりすと、歌をうたう小さいあひる。この家じゃ、けんかなんかは起こらない。役目がちゃんと決まっているから。

ところがある朝、あひるが言った。
「ぼくが スープをかきまぜる」
3人組は大げんか。
ついにあひるは家出しちゃった。かぼちゃスープはどうなるの?

かわいくて、美しい。1999年ケイト・グリーナウェイ賞受賞作品。
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2005.10.10

『おふろだいすき』松岡享子/林明子

日常生活に入り込んだ、
素敵な素敵なファンタジー。

おふろだいすき
ぼく、おふろだいすき。
おふろへはいるときは、いつも、あひるのプッカをつれていく。

……ある日まこちゃんが、いつものようにプッカを連れてお風呂に入ると、もくもくとした湯気とともに、次から次へといろんな動物が現れたんだ。そして――?
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2005.10.01

『おばけのコンサート』たむらしげる

おばけたちが開く楽しい宴

おばけのコンサート
古い家に小さなおばけが住んでいました。小さなおばけはハーモニカが得意。いつものようにハーモニカを吹いていると、トントン!だれかがドアを叩きました。おばけの奏でる音楽に引き寄せられるように、次々にだれかが訪ねてきて……。
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2005.09.28

『空とぶゴーキー』ウィリアム・スタイグ

男の子の秘密の実験が
騒動を引き起こした

空とぶゴーキー
両親が留守にしていたある日、かえるの男の子ゴーキーは台所を実験室にして遊びだしました。大きなコップに水、紅茶、酢、ひいたコーヒー豆、化粧パウダー、香辛料、お父さんのお酒を次々入れては混ぜていくゴーキー。仕上げに“あるもの”を入れたその時、彼が思い描いていたとおりの金色の液体ができあがったのです。液体を瓶に詰め、呪文をとなえたゴーキーにかかった魔法とは、一体……?

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2005.09.26

『オリビア』イアン・ファルコナー

|| 奔放でエネルギッシュ、
|| ちょっぴりおしゃまな女の子・オリビアの日常

オリビア
オリビアは歌うことと踊ること、砂の城づくり、絵を描くことが得意な子ぶたの女の子。まわりの人を疲れさせるのも抜群のうまさ。奔放でエネルギッシュなオリビアのやんちゃぶりに、母親は毎日「ほんとにくたびれちゃう」。だけどやっぱりオリビアが大好きなのです――。

「ニューヨークタイムズ」52週連続ベストテン入り。全米書店員が選ぶ「2000年度売ることに最も喜びを感じた本」賞受賞。2001年度コルデコット賞銀賞受賞。
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2005.09.24

『きょうりゅうたち』ペギー・パリッシュ/アーノルド・ローベル

|| この地球上にただ一度、
|| 恐竜たちの世界があったのです。

約45億年前に地球が誕生するところから、この絵本は始まります。地球に生物が生まれ、やがて恐竜が姿を見せるようになるまでに、43億年もの年月を要したこと。恐竜たちが陸地に棲み始めたころの地球の様子。そして実際に、どのような恐竜が存在したのか。見開きごとに片ページを文章、もう片方に絵というスタイルをとりながら恐竜を解説し、やがて彼らが死に絶えるまでを追った絵本。

※書影はこちらでご確認ください。
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2005.09.09

『ものぐさトミー』ペーン・デュボア

|| 機械仕掛けの家に住む「なまけんぼ」

ものぐさトミー
主人公のトミー・ナマケンボは、その名のとおりのなまけんぼの男の子。機械仕掛けの家に住んでいて、朝ベッドから出るのもお風呂に入るのも歯を磨くのも着替えるのも食事をするのも、ぜんぶ機械にやってもらっている。いつもちっとも自分で動かないから、機械に身支度を整えてもらうだけでくたびれてしまう。そんなある日のこと。停電が起きてトミーの家の機械が止まってしまい……。
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2005.09.02

『マジョモリ』梨木香歩/ 早川司寿乃

|| 聖と俗、母と娘の不思議な交歓の物語

マジョモリ
淡い色彩と繊細な線で描かれた表紙には、葉の中の鍵穴と、つるの先にぶら下がる鍵。「鍵を開けてこちらにいらっしゃい」と招かれているような気持ちで、わたしたちは表紙をめくる。その装画の醸す雰囲気と、「マジョモリ」という題字の明朝体に、厳かな気持ちになりながら……。
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2005.07.18

『くまのコールテンくん』ドン・フリーマン/まつおかきょうこ

|| 読み終えると、自然に笑顔になる

くまのコールテンくん
デパートのおもちゃ売り場にいたくまのコールテンくんは、早く誰かが来て自分を家に連れて行ってくれないかなあといつも思っていました。そこに現れたのは一人の女の子。女の子はコールテンくんの目をジッとのぞきこんで「あたし、ずっとまえから こんな くまが ほしかったの。」と言いますが、お母さんはクビを振って言うのです。「今日はだめよ。お金をたくさん使っちゃったから」「それに、つりひものボタンが一つとれてるわ。」。女の子の後ろ姿を悲しそうに見送ったコールテンくんは、夜、真っ暗になったデパートの中、探検に繰り出します。どこかに取れたボタンが落ちていないかな、と――。
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2005.06.26

長新太さん、亡くなる

久々の更新がこれほど悲しい内容になろうとは。
絵本作家の長新太さんが昨日、亡くなられたそうです。享年77歳。
絵本作家の長新太さん死去:YOMIURI ONLINE

いつまでも決して失いたくない、宝物のような偉大なる才能の持ち主でした。これまで、長さんの絵本にどれほど笑いと涙と感動をもらったことでしょう。どれほど元気づけられたことでしょう。これからも新しい作品を生み出し続けてくれるものと思い込んでいました、そんなはずはないのに……。

あまりにショックな出来事に、涙が止まりません。大声で叫びたい気持ちです。

長さん、400冊以上もの素晴らしい作品をありがとう。
ご冥福をお祈り申し上げます……。

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2005.06.11

『11ぴきのねことぶた』馬場のぼる

気ままなねこたちが心地いい

11ぴきのねことぶた
ドライブをしていた11ぴきのねこは、古い空き家を見つけました。天井にはクモの巣が張り、ほこりだらけの家でしたが、掃除をしてみるとなかなか素敵な部屋。すっかり気に入ったねこたちは、そこに住むことにしました。ところがそこへ、1匹のブタがやってきたのです。
「このへんに、ぼくのおじさんのいえがあるんだが、こちらですかな」
あわててブタを追い出す11ぴきのねこたち。でも――。
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2005.06.08

『三びきのやぎのがらがらどん』マージャ・ブラウン/せた ていじ

|| 荒ぶる魂が求めている

昔、三匹の雄やぎがいました。名前はどれも「がらがらどん」。
三匹はある時、山の草場で太ろうと山へ上っていきました。すると、途中の谷川に渡された橋の下に、気味の悪い大きなトロルが住んでいたのです――。
三びきのやぎのがらがらどん―アスビョルンセンとモーの北欧民話
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2005.06.07

『じめんのうえとじめんのした』アーマ E.ウェバー

|| 動物たちは、植物のおかげで生きているのです。

じめんのうえとじめんのした
地面の上には、いろいろな種類の動物が住んでいます。地面の下に住む動物もいます。けれども植物には、地面の上に出ているところと地面の下にもぐっているところとがあり、その形は植物の種類によってさまざまです。動物も植物も、太陽、空気、水、土、そしてほかのいろんな生き物たちとつながりを持ちながら、さまざまな場所でそれぞれの命を生きているのです。
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2005.05.26

毎日新聞で「こどもの本の歩み」

毎日新聞の家庭欄で、昨日から「こどもの本の歩み」という連載が始まったようです。第1回は、「だるまちゃん」シリーズや『からすのパンやさん』の かこさとしさん。
こどもの本の歩み:/1 かこさとしさん 小さなアインシュタインへ

子どもの理数離れに対してのコメントが印象深い。

 心に響く教え方が必要だ。大人が科学絵本を読み聞かせし、疑問に思うことは「お母さんもここは分からないのよ」といえばよい。「小さなアインシュタインたち」には何かが残る。
わからないことはわからないと素直に言い、後は子どもに任せるなり、一緒に考えるなり、調べる手助けをしてあげるなりすればいいんだな。

この連載、これからかなり楽しみです。

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2005.05.23

『だれかな? だれかな?』なかや みわ

|| わが家の子どもが初めて出会った絵本

だれかな?だれかな?
壁にあいた小さな穴からのぞく顔。
だれかな? だれかな?
たた たたたたた ねずみさん。
次はだれかな?
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2005.05.20

『ないた』中川ひろたか/長新太

|| 1日1回ぼくは泣く。
|| どうしてだろう?

ないた
ぼくが泣いた場面、ぼくが泣いた理由。
赤ちゃんの泣き方、大人の涙。
「泣いた」をめぐる、「ぼく」の考察。
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2005.05.15

『ふしぎなナイフ』中村牧江/林健造/福田隆義

|| ナイフ十変化!

ふしぎなナイフ
一見なんの変哲もないふつうのナイフ。
ところがページをめくるたび、思いがけない変化を遂げていく。
果たして最後には?
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2005.05.14

絵本とこそだて新聞

「絵本とおもちゃで子育て、孫育て」の育児サイトユウchanにて、先月から絵本とこそだて新聞というものを不定期連載しています。…といっても昨日やっと第2号を発行したところなのですが。

「絵本とこそだて新聞」は、絵本にまつわる諸々をフィクションを織り交ぜながら楽しく紹介していこうという新聞です。ご興味を持ってくださった方はどうぞのぞいてみてやってくださいませ。PDFでダウンロードできるので、プリントアウトすれば紙の新聞としてお手元に残すこともできます(残さないって)。

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2005.05.09

『かさぶたくん』やぎゅう げんいちろう

|| 読めばあなたも「かさぶた博士」

かさぶたくん
ダメだとわかっていても、目にとまるとついついはがしたくなるのが「かさぶた」。でも、どうして「かさぶた」を取っちゃいけないの? そもそも「かさぶた」って何? 何のためにできるの?

そんな疑問をすっきりと氷解させてくれる、オモシロ科学絵本。
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2005.05.06

『ティッチ』パット・ハッチンス

|| コンプレックスよ飛んでいけ!

オンライン書店ビーケーワン:ティッチ
ティッチは、小さな男の子でした。
姉さんのメアリは、ティッチよりちょっと大きくて、兄さんのピートは、ずっと大きな子でした。

ピートとメアリは、いつも大きくて立派なものを持っていました。例えば、自転車。例えば、凧。例えば、楽器。けれどもティッチが持っているのは、ちっぽけなものばかり。ティッチは兄さんと姉さんがうらやましくて仕方がありません。ところが、ある日――。
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2005.04.15

『スモウマン』中川ひろたか/長谷川義史

|| 弱きを助け、強きをくじく、角界のニューヒーロー!!

スモウマン
ぼくはスモウマン。正義のためにたたかうぞ。
「スモウマーン!」
あ、ぼくを呼んでる人がいる。ドスコーイ!(飛んで行く)

…正義のヒーロー・スモウマンの痛快活躍絵本。
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2005.04.13

『わたしとあそんで』マリー・ホール・エッツ

|| 小さな生き物たちと心を通わせる歓び

わたしとあそんである朝、女の子が原っぱに遊びに行くと、バッタが一匹、夢中で草の葉を食べていました。「バッタさん、遊びましょ」女の子がつかまえようとすると、バッタは跳んで行ってしまいました。池のほとりにはたくさんの動物が遊びに来ます。かえるも、カメも、リスも、かけすも、うさぎも、へびも……。みんな、「遊びましょ」と女の子が近寄ると、逃げて行ってしまうのです。ところが、女の子が音を立てずに腰かけていると、みんなが戻ってきて――。
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2005.04.10

『やっぱりおおかみ』佐々木マキ

|| 愉快な人生を送るコツ

やっぱりおおかみ

 おおかみは もう いないと
みんな おもっていますが
ほんとうは いっぴきだけ
いきのこって いたのです。
こどもの おおかみでした。
ひとりぽっちの おおかみは
なかまを さがして
まいにち うろついています。

どこかに だれか いないかな


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2005.04.07

『ももいろのきりん』中川李枝子/中川宗弥

|| るるこが作ったのは、世界一大きくてきれいな「ももいろのきりん」。
|| そしてそれは、本物になったのです。

ももいろのきりんるるこは、おかあさんから、とても大きいももいろの紙をもらいました。
「このかみでなら、うんとくびのながい大きなきりんがつくれるわ。あたしがのれるぐらい大きくて、そのうえ、せかい一きれいな、ももいろのきりんが!」
るるこは、のりとはさみとクレヨンを持ってきて、きりんを作り始めました。世界一長い首、とても大きな胴体、太くてがんじょうな足……。最後にるるこがクレヨンで特別大きな目と口を描き終えると、 きりんが動きだしたのです。そうして、るることももいろのきりん「キリカ」は友だちになったのでした。

その晩、雨が降りました。長過ぎて部屋に入らず、窓から外に出していたキリカの首は、濡れたせいですっかり色がはげてしまいました。元通りの世界一きれいなきりんに戻すために、るるこはキリカに乗って、はるか遠くの山の上にあるクレヨンの木を目指すことにするのです。
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2005.04.06

『おなべ おなべ にえたかな?』こいで やすこ

|| やめられない、とまらない。とびきりおいしい春のスープ

おなべおなべにえたかな?うららかな春の日、山向こうのおおおばあちゃんの所に遊びに行ったきつねのきっこは、人参スープのお鍋の番を頼まれました。「おなべ おなべ にえたかな?」スープの仕上げをしていたら、味見に夢中になりすぎて、お鍋が空になっちゃった! そこでお鍋が思いついたのは、春の味覚・お豆と春を代表するあの植物をたっぷり使った、とびきりおいしい春のスープだったのです。
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2005.03.31

『はなを くんくん』ルース・クラウス/マーク・サイモント

|| モノクロームの世界に鮮やかに咲いた春

はなをくんくん暗く寒い冬です。深い雪に閉ざされた山のなか、動物たちは静かな眠りについています。のねずみも、くまも、ちっちゃなかたつむりも、りすも、やまねずみいも――寒さをしのぐように、あるものは地面のなかで、あるものは木のうろで、息をひそめて眠っています。

おや? みんなが目を覚ましました。鼻をくんくんさせながら、一斉に駆け出します。そしてみんなが集まったところで見つけたものは――。
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2005.03.30

ユウchanに絵本レビュー

「絵本とおもちゃで子育て、孫育て」をキャッチフレーズとしている育児サイトユウchanで絵本レビューを書かせていただきました。現在トップページからバナーでリンクが張られている心のミルク 子どもに贈りたい絵本54冊 2005.3というコーナーです。3月31日、朝日新聞夕刊に掲載される全面広告との連動企画です。

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2005.03.11

『はせがわくんきらいや』長谷川集平

|| ちょっと変わった友達が、ぼくにはいる。

はせがわくんきらいや
ぼく、長谷川くん、きらいや。
何しても下手やし、すぐにへなへなへたってしまう。
長谷川くんといたら、おもろない。
長谷川くんと一緒におったら、しんどうてかなわんわ。
長谷川くん、だいじょうぶか。長谷川くん。

――砂糖菓子のように甘くも美しくもない。ひたすら武骨だけれど、まぎれもない優しさが、そこにはある。
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