2006.03.26

『動物げきじょう<21幕>』アリスとマーティン・プロベンセン

さまざまな動物たちが、
ウィットたっぷりにふるまうお話

動物げきじょう〈21幕〉

お母さんに頼まれた男の子が次々といろんな動物に変身する「おつかい」。夏の暑い日、ライオンが散髪にやってくる「とこや」。大切なシカの子が王様に狩られないように隠す「冬のはなし」。オオカミがだれかのおばあさんに化けたときに見破るポイントを図説した「オオカミのみわけかた」…。

草原の動物、森の動物、家のまわりの動物、鳥や魚など、さまざまな動物たちのお話が長いものも短いものも含めて全部で21幕。なんともお得感のある、ボリュームたっぷりの絵本です。ロシアアヴァンギャルドを彷彿とさせる絵は愛らしく、ところどころに散りばめられたユーモアにくすりと笑いながら読みました。

初めて読んだ時、『動物げきじょう』というタイトルを読み上げた途端に長男は「えっ、どうぶつげきじょう?! おもしろそう!!」と目を輝かせていました。なにせボリュームたっぷりなので、全部読むのはなかなか骨が折れますが、ウィットに飛んだお話の数々、長男にはとても面白かったようです。すぐさまお気に入りの絵本になりました。これだけの内容で2000円なら安いかも。

読み聞かせは5歳前後からどうぞ。

オススメ度
よん(母)------------------> ★★★
ルンバ(長男/5歳5カ月)-> ★★★
パルタ(次男/2歳4カ月) -> ★★☆

▼『動物げきじょう―21幕』>>amazon | >>bk1
▽アリスとマーティン・プロベンセン(作・絵) 乾侑美子(訳)/童話館出版(1997/11/10)/印刷・製本:大村印刷
▽漢字かな/52ページ/32.3×24.7cm

▽アリスとマーティン・プロベンセン(Alice & Martin Provensen)プロフィール:妻のアリスは1918年アメリカのシカゴで生まれる。夫のマーティンは1916年シカゴ生まれ。1人ともシカゴのアート・インスティテュート、カリフォルニア大学を卒業する。アリスはさらに、ニューヨークのアート・ステューデント・リーグで学び、1942年にカリフォルニアに移り、ウォルター・ランツ・スタジオでアニメーションの仕事につく。マーティンは、1938年ウォルト・ディズニー・スタジオで働き始める。2人はアメリカ海軍の映画制作中に出会い、1944年にワシントンで結婚。1940年代後半ニューヨークに移り、いっしょに子どもの本の挿絵の仕事をするようになった。本作品は、文も絵も2人でかいた最初の子どもの本で、1952年に出版された。1984年には『パパの大旅行』(福音館書店)でコールデコット賞を受賞。最後のページまで2人とも納得するまで描き加えたり削ったりして制作するのが夫妻のやり方で、その作品は40点にも及ぶ。1987年、マーティンは心臓発作で永眠。

▽乾侑美子(いぬい・ゆみこ)プロフィール:1941年生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒業。JBBY会員。英・独・デンマーク語の、主に児童文学の翻訳にたずさわっている。

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2005.10.10

『おふろだいすき』松岡享子/林明子

日常生活に入り込んだ、
素敵な素敵なファンタジー。

おふろだいすき
ぼく、おふろだいすき。
おふろへはいるときは、いつも、あひるのプッカをつれていく。

……ある日まこちゃんが、いつものようにプッカを連れてお風呂に入ると、もくもくとした湯気とともに、次から次へといろんな動物が現れたんだ。そして――?
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2005.06.08

『三びきのやぎのがらがらどん』マージャ・ブラウン/せた ていじ

|| 荒ぶる魂が求めている

昔、三匹の雄やぎがいました。名前はどれも「がらがらどん」。
三匹はある時、山の草場で太ろうと山へ上っていきました。すると、途中の谷川に渡された橋の下に、気味の悪い大きなトロルが住んでいたのです――。
三びきのやぎのがらがらどん―アスビョルンセンとモーの北欧民話
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2005.05.23

『だれかな? だれかな?』なかや みわ

|| わが家の子どもが初めて出会った絵本

だれかな?だれかな?
壁にあいた小さな穴からのぞく顔。
だれかな? だれかな?
たた たたたたた ねずみさん。
次はだれかな?
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2005.04.13

『わたしとあそんで』マリー・ホール・エッツ

|| 小さな生き物たちと心を通わせる歓び

わたしとあそんである朝、女の子が原っぱに遊びに行くと、バッタが一匹、夢中で草の葉を食べていました。「バッタさん、遊びましょ」女の子がつかまえようとすると、バッタは跳んで行ってしまいました。池のほとりにはたくさんの動物が遊びに来ます。かえるも、カメも、リスも、かけすも、うさぎも、へびも……。みんな、「遊びましょ」と女の子が近寄ると、逃げて行ってしまうのです。ところが、女の子が音を立てずに腰かけていると、みんなが戻ってきて――。
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2005.04.07

『ももいろのきりん』中川李枝子/中川宗弥

|| るるこが作ったのは、世界一大きくてきれいな「ももいろのきりん」。
|| そしてそれは、本物になったのです。

ももいろのきりんるるこは、おかあさんから、とても大きいももいろの紙をもらいました。
「このかみでなら、うんとくびのながい大きなきりんがつくれるわ。あたしがのれるぐらい大きくて、そのうえ、せかい一きれいな、ももいろのきりんが!」
るるこは、のりとはさみとクレヨンを持ってきて、きりんを作り始めました。世界一長い首、とても大きな胴体、太くてがんじょうな足……。最後にるるこがクレヨンで特別大きな目と口を描き終えると、 きりんが動きだしたのです。そうして、るることももいろのきりん「キリカ」は友だちになったのでした。

その晩、雨が降りました。長過ぎて部屋に入らず、窓から外に出していたキリカの首は、濡れたせいですっかり色がはげてしまいました。元通りの世界一きれいなきりんに戻すために、るるこはキリカに乗って、はるか遠くの山の上にあるクレヨンの木を目指すことにするのです。
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2005.03.31

『はなを くんくん』ルース・クラウス/マーク・サイモント

|| モノクロームの世界に鮮やかに咲いた春

はなをくんくん暗く寒い冬です。深い雪に閉ざされた山のなか、動物たちは静かな眠りについています。のねずみも、くまも、ちっちゃなかたつむりも、りすも、やまねずみいも――寒さをしのぐように、あるものは地面のなかで、あるものは木のうろで、息をひそめて眠っています。

おや? みんなが目を覚ましました。鼻をくんくんさせながら、一斉に駆け出します。そしてみんなが集まったところで見つけたものは――。
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2005.01.17

『なりました』内田麟太郎/山口マオ

|| 脱力感がクセになる!

なりましたかばが においを かぎまする
くん くん くん くん くん くん
あれあれ ぞうに なりました

いろんな動物たちが、次々に不思議な変身を遂げていく。
なんで? どうして?
そんなことを考えるものバカらしい。
ただただオカシイ、脱力系ナンセンスワールド。
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2005.01.08

『どうぶつえんのピクニック』アーノルド・ロベル

|| 相手を動かそうと思ったら、楽しいことを用意しようよ。

ぜえぜえ ぐすぐす ごほん くしょん
動物園の動物たちが、悪い風邪にかかってしまいました。
「運動不足ですね」お医者さんに言われた飼育係のマスターさんは、たっぷりお弁当をこしらえると、バスを借り切り、動物たちを連れて海へピクニックに出かけることにしました。みんなは大喜び。そこへ、近くの遊園地から楽しそうな音楽が聞こえてきました。
「楽しそうだなあ」
たちまち動物たちは遊園地へ。あんまり楽しくって、いくらマスターさんが「かえってこーい!」と叫んでも、ちっとも聞こえないみたい。さあ、困った。どうすれば動物たちは動物園に帰ってくれるのでしょうか――?
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2004.10.27

『へんなどうつぶ』ワンダ・ガーグ

75年前に出版された超ロングセラー!
子どもを惹きつけてやまない黒白の不思議な絵本

山奥に住んでいる優しいボボじいさんは、鳥や動物たちが食べ物をもらいに来るのを毎日楽しみに待っていました。ところがある晴れた日、これっまで一度も見たことのない変な動物がやってきたのです。その動物は、頭の先からくるりと巻いたしっぽの先まできれいな青いとげとげがついていました。
「あんたは,なんちゅう どうぶつだい?」
ボボじいさんが聞くと、変な動物は答えました。
「ぼか どうぶつじゃない」「ぼか どうつぶ!」
そのどうつぶは、人形が好物だと言うのです。変などうつぶがあちこちで可愛いちいちゃい子どもたちの人形を食べ歩いているさまを思うと、ボボじいさんのほっぺたを涙が流れ落ちました。ボボじいさんは、なんとかどうつぶに人形を食べることを忘れさせる方法はないものかと考えました。そして――。

1929年にアメリカで出版された黒白の絵本。
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2004.10.26

『かばんうりのガラゴ』島田ゆか

あっちにもこっちにも楽しさが隠れている!

ガラゴは旅するかばんやさん。お客さんが欲しいかばんを、いつでもどこでも出してくれます。今日最初のお客さんは、ぷよぷよの子犬。「ひとりっこだから きょうだいがほしいの」と言います。ガラゴは兄弟は盛っていないので、代わりに犬の形のかばんを取り出しました。かばんの中にはもう一つ犬のかばんが入っています。そのかばんにもまたかばんが……。こうして子犬には3匹のかばんの兄弟ができました。さて、次のお客さんは――?

画面のあちこちで隠しストーリーが同時進行。隅々まで楽しめる島田ゆかワールド!
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2004.10.23

『ピーターの とおい みち』バーバラ・クーニー/リー・キングマン

このことは、ピーターと
この本を読んだあなたしか知らない秘密なのです。

ピーターのとおいみちピーターの家は森の奥。たくさんの動物と暮らしていましたが、一緒に遊べる男の子も女の子もいないのでした。ピーターは、卵の殻のなかのひなのよう。淋しかったのです。
「いいこと、ピーター。五つになったらね、村の学校に行くことになるの。そうしたら毎日一緒に遊べる友達ができるわよ」
お母さんの言葉を聞いて5歳になるのを心待ちにしていたピーターは、誕生日を迎えた次の日、お友だちをくださいという願いごとを自分でかなえるために、遠い道をひとりで学校に行くことにしたのでした。
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2004.07.10

『なつのいけ』塩野米松/村上康成

夏がぎっしり詰まった絵本

なつのいけ表紙ソフトクリームみたいな入道雲が真っ青な空に浮かぶ夏。子どもたちは網とバケツを手に池に向かう。池にはさまざまな生き物たちが棲んでいる。メダカにタナゴ、モツゴにコイ。ドジョウやゲンゴロウやタイコウチ。いばりんぼうのアメリカザリガニが食べちゃうぞーっとやって来れば、「いただきはどっちだーっ」と出てくる立派なひげのオオナマズ。池の外には子どもたち。大きな魚をつかまえるぞ!

鮮やかな色彩でまぶしい夏の光景を詩情豊かに切り取った、ある池をめぐる物語。第8回日本絵本大賞受賞作品。
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2004.04.01

『またもりへ』マリー・ホール・エッツ

その笑顔は、だれにもできない

またもりへ表紙わいわい がやがや いう声が聞こえてきました。
あまり騒がしいので、ぼくは森へ見に行きました。
すると動物たちがぼくを待っていて、みんなで得意なことの腕くらべを始めることになったのです。
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2004.03.26

『もりのなか』マリー・ホール・エッツ

森へ、さんぽに出かけました

もりのなかぼくは、紙の帽子をかぶり、新しいらっぱを持って、森へ散歩に出かけました。すると、動物たちが次々と、ぼくの散歩についてきて……、いつのまにやら大行列。ぼくと動物たちは、はんかちおとしやかくれんぼをして楽しく遊ぶのです。
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2004.03.11

『おおかみと七ひきのこやぎ』グリム童話/フェリクス・ホフマン

おおかみと七ひきのこやぎ表紙むかしあるところに、子やぎを7匹育てているお母さんやぎがいました。ある日、お母さんやぎは、子やぎたちに「おおかみにはくれぐれも気をつけておくれ」と言い残し、森に食べ物を探しに出かけていきました。すると間もなく、子やぎたちの家に、おおかみがやってきたのです……!
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2004.03.06

『お月さまってどんなあじ?』ミヒャエル・グレイニェク

まあるいお月さまが、三日月になったわけ?!

お月さまってどんなあじ表紙お月さまってどんなあじなんだろう。ほんのひとくち、たべてみたいね。どうぶつたちは、よる、お月さまをみながら、いつもそうおもっていました。ある日、ちいさなカメが決心しました。いちばんたかいあの山にのぼって、お月さまをかじってみよう。
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夜空に青白く光るまあるいお月さま。それを、動物たちは「おいしそう」と思い、一生懸命手を伸ばします。カメ、ゾウ、キリン、しまうま、ライオン、キツネ、サル、ネズミ……。次々と登場する動物たちが手を伸ばすたびにひょいっと逃げていたお月さまは、ネズミの小ささに油断して、ついにかじられてしまいます。

お月さまを「おいしそう」と思う感覚。子どものころ、青空に浮かぶ白い雲がとってもおいしそうで、どんなに極上の綿菓子のような味がするんだろうと想像して楽しんだことを思い出しました。自然のものって、なぜだかすごくおいしそうに見えたりするんですよね。存在自体が神秘的だからでしょうか。雪にかき氷のシロップをかけて食べたり、軒にぶら下がったつららをポキンと折ってアイスキャンディーのようになめた時の、あの幸福感。

言われてみればお月さま、なるほど確かにおいしそう。この絵本と出合ってから、夜空にお月さまを見つけるたび、わたしたち親子はその味について話し合うのです。そうしてわたしは、息子がため息まじりに「ルンバくんもたべてみたいな…」とつぶやく、そのかわいらしい姿を楽しみます。

起伏のある紙に水彩で描かれた、やさしい絵。紙のざらつきが、お月さまの表面のでこぼこや地面のぬくもり、岩のような山の肌合いを表すのに一役買っています(追記:紙ではなく、どうやらこの絵は漆喰に描かれたもののようです)。次々と登場する動物たちの姿を見ながら、わたしたちも彼らと一緒になって、月に手を伸ばします。つま先と指先にうんと力を入れながら、「がんばれ〜」と動物たちを応援せずにはいられません。

ついにお月さまをかじった、ネズミのうれしそうな顔と、「やられた」というお月さまの顔に、思わず「やったー」と叫びたくなります。そして、夢がかない満ち足りた表情で動物たちが仲良く並んで眠る姿に、ほんわりあたたかい気持ちになって最後のページをめくると、そこにはオチがひとつ。ただしここのオチ、ルンバにはまだ理解できないので、わが家では飛ばされがちなのですが。

ルンバの絵本の楽しみ方の一つに、「劇ごっこ」=「絵本の内容を演じる」がありますが、この絵本はそれに見事にはまったよう。暗くなった保育園からの帰り道、月を見上げながら2人でこの絵本を演じて帰る日々が続くのです。

▼オススメ度
よん(母)------------> ★★☆
ルンバ(長男/3歳)-> ★★★

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▽ミヒャエル・グレイニェク(作)泉千穂子(訳)/セーラー出版 (1995/09)

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