2006.02.25

『なつのゆきだるま』G.ジオン/M.B.グレアム

はかない存在だからこそ
ゆきだるまって、特別なんだ。

なつのゆきだるま

冬の最後の雪の日に、ちいさなちいさなゆきだるまを作ったヘンリー。おつきさまがゆきだるまを溶かしてしまうんじゃないかと心配で、夜も眠れない。そこでいいことを思いついたんだ。ヘンリーは、夏になってもゆきだるまをとっておくことに成功した。独立記念日、町の人たちみんなにそのゆきだるまを見せたんだけど……。

* * * * *

今年の1月に大雪が降った時に作ったゆきだるまを、わが家の長男はヘンリーと同じようにしてとっておいています。ちょうど同じ体験をした後だったからでしょうか、読んでいるとぐいぐい話に引き込まれているのが手に取るようにわかりました。途中まですごくうれしそうに聞いていたのですが、夏になってヘンリーがみんなにゆきだるまを見せている間のゆきだるまの変化に「あああーっ……」としょんぼり。でもそんな起伏もすごく面白かったようで、読み終えてすぐに「もう1回よんでほしいなー」とリクエストしていました。

『どろんこハリー』>>amazon でおなじみの名コンビの絵本。モノクロのペン画を基調に淡い黄色や赤、青などでうっすらと色づけをしただけの、もしかすると少々地味に感じるかもしれない色彩ですが、グレアムの描くキュートな登場人物たちが表情豊かに動き回る画面にあっては、そんなことは気になりません。控えめな色彩はむしろ想像力を働かせるにはもってこい。とりわけ月夜のゆきだるまの様子は、そのシンプルな色彩がとてもよい雰囲気を醸し出しています。

読み聞かせは3、4歳ごろからかな?
雪降る冬にも暑い夏にも楽しめる絵本です。

オススメ度
よん(母)------------------> ★★★
ルンバ(長男/5歳3カ月)-> ★★★
パルタ(次男/2歳2カ月)-> ★★★

▼『なつのゆきだるま』>>amazon | >>bk1
▽ジーン・ジオン(文) マーガレット・ブロイ・グレアム(絵) ふしみみさお(訳)/岩波書店(2003/10/21 原著“THE SUMMER SNOWMAN”は1955)/印刷:半七印刷/製本:牧製本
▽かな/32ページ/

▽ジーン・ジオン(Gene Zion,1913-75)プロフィール:アメリカのニューヨーク生まれ。妻のマーガレット・ブロイ・グレアムとともに十数册の絵本を作った。『どろんこハリー』『うみべのハリー』『はちうえはぼくにまかせて』など、素朴な発想をもとにしたお話で親しまれている。

▽マーガレット・ブロイ・グレアム(Margaret Bloy Greham,1920-)プロフィール:カナダのトロント生まれ。ニューヨークでファッション雑誌のイラストを描き、その後絵本づくりをはじめる。夫との共同作品のほかに、『ベンジーのふねのたび』『あらしのひ』などがあり、いきいきとした楽しい絵で人気がある。

▽ふしみみさを(伏見 操,1970-):埼玉県生まれ。洋書販売会社勤務をへて、絵本の翻訳、紹介にとりくむ。仏語、英語をこなし、ユーモアあふれるセンスが注目されている。訳書に『モモ、しゃしんをとる』『なかよくなんかならないよ』『あそぼうマクス』『はなくそ』などがある。

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2005.05.06

『ティッチ』パット・ハッチンス

|| コンプレックスよ飛んでいけ!

オンライン書店ビーケーワン:ティッチ
ティッチは、小さな男の子でした。
姉さんのメアリは、ティッチよりちょっと大きくて、兄さんのピートは、ずっと大きな子でした。

ピートとメアリは、いつも大きくて立派なものを持っていました。例えば、自転車。例えば、凧。例えば、楽器。けれどもティッチが持っているのは、ちっぽけなものばかり。ティッチは兄さんと姉さんがうらやましくて仕方がありません。ところが、ある日――。
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2004.12.27

『フランシスのいえで』ラッセル・ホーバン/リリアン・ホーバン

|| 下の子を迎えるお兄ちゃんお姉ちゃん。
|| お父さんとお母さんは、あなたのことをとても愛していますよ。

あなぐまのフランシスに妹が生まれました。お母さんは赤ちゃんのお世話にかかりっきり。フランシスは両親の気を引きたくて歌を歌ったり、小石を空き缶に入れてガンガン振って歩いたり、眠るとなればお父さんとお母さんにあらゆるおもちゃを持って来てくれるよう頼みます。けれどもある朝、学校に着ていこうと思っていたお気に入りの服を、赤ちゃんのお世話に忙しいお母さんがまだ洗っていないと知り、フランシスは家出することに決めました。行き先は食堂のテーブルの下。

「じゃ,あたし,これから いえでします。さようなら。いってまいります。」

※表紙画像は好学社のサイトでご確認ください。
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2004.12.07

『リコちゃんのおうち』さかい こまこ

リコちゃんは、どこで遊べばいいの。

リコちゃんのおうち
リコちゃんが遊んでいると、お兄ちゃんかいじゅうがやって来て、「あっちいけ!」と邪魔をします。リコちゃんがあっちへ行くと、ママまでリコちゃんの邪魔をしたの。
「もうヤダ! リコは リコだけの おうちに ひっこす!」
「じゃあね、ここがリコちゃんの あたらしいおうち」
ママが段ボール箱を取り出して、ハサミで窓を切り抜き、端切れを床に敷くと、あら不思議。リコちゃんのおうちができたのです。
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2004.11.19

『ピーターのいす』E・ジャック・キーツ

赤ちゃんは、ある日突然やって来た。
――妹の誕生を受け入れ一つ成長する少年の物語

ピーターのいす
ピーターに妹が生まれた。
赤ちゃんが来てからというもの、家のなかはどんどん変えられていく。ピーターが赤ちゃんの時に使っていたゆりかごが、食堂イスが、ベビーベッドが……次々とピンク色に塗り替えられてしまう。みんなぼくのものだったのに! ピーターはまだ塗り替えられていないイスを見つけると、そのイスを持って家出する。買い物かごにクッキーや犬の餌を詰め込み、おもちゃのワニと自分の赤ちゃんの時の写真を持って、愛犬ウィリーと一緒に――。
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2004.10.12

『ちょろりんととっけー』降矢なな

子どもたちが初めて、自分たちだけで旅に出る。
小さな冒険の物語。

ちょろりんととっけー夏休み。とかげのちょろりんは初めて一人で三本糸杉山のおじさんの家に行くことになりました。じいちゃんが椿の葉っぱに書いてくれた地図を片手に、お弁当を持って出発です。ところが、まだ小さい弟のとっけーが、いつの間にかちょろりんの後についてきていたのです。ちょろりんは仕方なく、とっけーを連れていくことになりました。やがてわかれ道に差しかかり、じいちゃんの地図をちょろりんが見ようとしたその時、とっけーの手がちょろりんの手にぶつかって地図は風に飛ばされ、川に流されてしまいます。ちょろりんはとっけーを突き飛ばし、夢中で地図を追いかけるのですが、今度はとっけーとはぐれてしまい――。
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2004.09.10

『フランシスとたんじょうび』ラッセル・ホーバン/リリアン・ホーバン

フランシスのへんてこ即興歌と
想像の暴走っぷりが今回も楽しい!

明日はフランシスの妹グローリアの2歳の誕生日です。グローリアやお母さんがパーティーの準備に励むのを見て、フランシスはおもしろくありません。だれにも見えない想像上の友だち・アリスと暗号を織りまぜた会話をしながら、グローリアになにかと意地悪を言ってしまいます。けれどもフランシスは、お母さんがプレゼントを用意しているのを見て、グローリアになにか贈りたくなりました。そこでお父さんと一緒にチョムポチョコレートとふうせんガムを買いに行くのですが、あまりにおいしそうなので自分でそれを食べたくなってしまい――。

※表紙画像は好学社のサイトでご確認ください。
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2004.07.22

『とこちゃんうみへいく』織茂恭子

わたしだって泳げるもん!
小さな子どものフラストレーションを
すっきりさっぱり晴らしてくれる本

とこちゃんうみへいく暑い夏の日。海に行くというお兄ちゃんについていこうとした とこちゃんは、「およげないから だめ」と言われてガッカリ。仕方なくお風呂で水遊びをするけれど、やっぱりつまらない。「あたしも うみで およぎたいよー」。すると、「ぼくも うみで およぎたい!」とお風呂の水が飛びはねた。「うみいへ いこう! うみへ いこう!」お風呂の水はとこちゃんを抱えて走り出す。「でも あたし およげない」「ぼくが いるから だいじょうぶさ」。

海で存分に遊びたい!という小さな子どもの気持ちを、たっぷりと満たしてくれる一冊。
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