まあるいお月さまが、三日月になったわけ?!
お月さまってどんなあじなんだろう。ほんのひとくち、たべてみたいね。どうぶつたちは、よる、お月さまをみながら、いつもそうおもっていました。ある日、ちいさなカメが決心しました。いちばんたかいあの山にのぼって、お月さまをかじってみよう。
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夜空に青白く光るまあるいお月さま。それを、動物たちは「おいしそう」と思い、一生懸命手を伸ばします。カメ、ゾウ、キリン、しまうま、ライオン、キツネ、サル、ネズミ……。次々と登場する動物たちが手を伸ばすたびにひょいっと逃げていたお月さまは、ネズミの小ささに油断して、ついにかじられてしまいます。
お月さまを「おいしそう」と思う感覚。子どものころ、青空に浮かぶ白い雲がとってもおいしそうで、どんなに極上の綿菓子のような味がするんだろうと想像して楽しんだことを思い出しました。自然のものって、なぜだかすごくおいしそうに見えたりするんですよね。存在自体が神秘的だからでしょうか。雪にかき氷のシロップをかけて食べたり、軒にぶら下がったつららをポキンと折ってアイスキャンディーのようになめた時の、あの幸福感。
言われてみればお月さま、なるほど確かにおいしそう。この絵本と出合ってから、夜空にお月さまを見つけるたび、わたしたち親子はその味について話し合うのです。そうしてわたしは、息子がため息まじりに「ルンバくんもたべてみたいな…」とつぶやく、そのかわいらしい姿を楽しみます。
起伏のある紙に水彩で描かれた、やさしい絵。紙のざらつきが、お月さまの表面のでこぼこや地面のぬくもり、岩のような山の肌合いを表すのに一役買っています(追記:紙ではなく、どうやらこの絵は漆喰に描かれたもののようです)。次々と登場する動物たちの姿を見ながら、わたしたちも彼らと一緒になって、月に手を伸ばします。つま先と指先にうんと力を入れながら、「がんばれ〜」と動物たちを応援せずにはいられません。
ついにお月さまをかじった、ネズミのうれしそうな顔と、「やられた」というお月さまの顔に、思わず「やったー」と叫びたくなります。そして、夢がかない満ち足りた表情で動物たちが仲良く並んで眠る姿に、ほんわりあたたかい気持ちになって最後のページをめくると、そこにはオチがひとつ。ただしここのオチ、ルンバにはまだ理解できないので、わが家では飛ばされがちなのですが。
ルンバの絵本の楽しみ方の一つに、「劇ごっこ」=「絵本の内容を演じる」がありますが、この絵本はそれに見事にはまったよう。暗くなった保育園からの帰り道、月を見上げながら2人でこの絵本を演じて帰る日々が続くのです。
▼オススメ度
よん(母)------------> ★★☆
ルンバ(長男/3歳)-> ★★★
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▽ミヒャエル・グレイニェク(作)泉千穂子(訳)/セーラー出版 (1995/09)
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