2006.04.08

『ねずみくんとホットケーキ』なかえよしを/上野紀子

ねずみくんとホットケーキ
ガールフレンドのねみちゃんは、お料理が上手なんだって! ねずみくんはりすさんやぞうさんたちと一緒に、みんなでねみちゃんのお料理を食べに行くことにしました。
「ぼくはバナナのお料理がいいな」
「わたしは、クルミのお料理がいいな」
「ぼくは、チーズのお料理がいいなあ」
口々に自分の好きなものを挙げるみんなに、ねみちゃんは困った顔。それもそのはず、だってねみちゃんはねずみくんに「ホットケーキ作るの」って言ったはずだったのですから。さて、ねみちゃんは何を作ってくれるのかな…?

* * * * *

『ねずみくんのチョッキ』に始まるねずみくんシリーズの第14巻目。やわらかな鉛筆で描かれたかわいくて親しみやすいキャラクターたち、シンプルな文章でさらりと読ませるほのぼのした絵本です。

ねみちゃんは「ホットケーキを作る」とねずみくんに伝えたはずだったのに、「お料理上手」ばかりが印象に残ってしまったねずみくんは、ホットケーキのことをすっかり忘れてみんなを誘ってしまいました。だからみんな口々に勝手なことばかり言っちゃうのです。ホットケーキの材料しかないし、でもみんなの要望にはできるだけこたえてあげたいし…。悩みに悩んだねみちゃんの解決策に、みんな大喜び。「おいしい〜!」と喜ぶみんなに、ねみちゃんはひと安心するのでした。

名作絵本といえば必ず取り上げられる「ねずみくんシリーズ」なのに、そういえばなぜだかわが家ではあまり読んだことがありませんでした。たまたま図書館でこの本を手にとって、わたし自身がホットケーキに目がないこともあり、すぐさま借りてきました。5歳の長男も2歳の次男も大喜び。シンプルなお話なので、楽しめる年齢層はかえって幅広いのかもしれません。

黒、黄、赤の3色印刷なのに、描かれたホットケーキのおいしそうなこと。読み終えるとホットケーキが食べたくてたまらなくなります。
読み聞かせは2歳ごろからどうぞ。

オススメ度
よん(母)------------------> ★★★
ルンバ(長男/5歳5カ月)-> ★★★
パルタ(次男/2歳5カ月) -> ★★★

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▽ なかえよしを(作) 上野紀子(絵)/ポプラ社(2000/09)/印刷:瞬報社写真印刷/製本:大村製本
▽かな/32ページ/25cm

▽なかえよしを プロフィール:神戸生まれ。日本大学芸術学部美術科卒業。

▽上野紀子(うえの・のりこ)プロフィール:埼玉県生まれ。日本大学芸術学部美術科卒業。

▽関連情報
ねずみくん公式サイト

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2006.03.02

『べろべろばあ』さとうわきこ

ねずみとねこが繰り広げる、
おかしなおかしな化かし合い。

べろべろばあ

「べろべろ ばあ!」
「ギャウーおばけだ」
ねずみとねこが、ユーモアたっぷりのあの手この手で相手をおどかそうとします。次は一体どんなおばけが出てくるのかな? ばばばあちゃんシリーズでおなじみ さとうわきこさんの絵本。

構成はいたってシンプル。ねずみとねこが交替でおばけに扮しておどかしあいっこを繰り返します。なんとか相手をぎゃふんと言わせたくて、次々新しい方法を考えては登場する2匹ですが、ねずみのほうがどうやら一枚上手の様子。ねこはねずみのアイデアを真似るばかりだから、ねずみはあんまり怖がらない。それどころか、おばけになって登場したねこに対し、いたずらを仕掛け始めるのです――。

* * * * *

長男も次男も一読して大好きになった絵本です。なにせ、ねずみのアイデアが素晴らしい。新しいおばけが登場するたび、「今度はどうやってるんだろう?」と想像し、種明かしの後、なお楽しい。子どもたちも一緒になって「べろべろばあ!」「きゃーこわいー」と大騒ぎしながら読んでいます。

0〜2歳の赤ちゃんを想定して作られた絵本という感じなので、2歳の次男のハマりようはとりわけすごい。「ネコチャンノオバケ、ヨンデー」と言いながら毎晩持ってきて、一度読み始めると何度も「ヨンデ」を繰り返します。時には自分でぱらぱらページをめくり、「ベロベロバー」「コワクナイヨー」と読んでいることも。わたしが読み始めると、「ウワー、コアイネー」「キャハハ!」と実にいいリアクション。読んであげていてうれしくなっちゃうほどです。

一方5歳の長男も、読み終えた直後から「これ、おもしろいね!」。彼は文字中心の長い絵童話もよく聞くけれど、こういう赤ちゃん絵本も大好きなんですよね、今でも。そんな長男の姿を見て、赤ちゃん絵本の奥深さをしみじみ感じる今日このごろです。

ばばばあちゃんでわが家にはおなじみだったさとうわきこさんですが、モノクロの絵は初めて見ました。この絵本はモノクロの鉛筆にクリーム色で着彩した2色印刷。カラーとはずいぶん印象が違うものですね。表情豊かでユーモラスな登場人物の動きはカラーの時そのままに、ちょっと落ち着いた印象の画面になっています。

読み聞かせは1歳前後からどうぞ。
こずえ1977年刊の再刊です。

オススメ度
よん(母)------------------> ★★★
ルンバ(長男/5歳5カ月)-> ★★★
パルタ(次男/2歳4カ月) -> ★★★

▼『べろべろばあ』>>amazon | >>bk1
▽さとうわきこ(作・絵)/フレーベル館(2001/04)/印刷:凸版印刷
▽かな/32ページ/18×18cm

▽さとう わきこプロフィール:東京生まれ。日本児童出版美術家連盟会員。絵本『とりかえっこ』にて第1回絵本にっぽん賞受賞。作品に“ばばばあちゃんのおはなし”シリーズ、『せんたくかあちゃん』など多数。諏訪湖畔と八ヶ岳で「小さな絵本美術館」を主宰。

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2005.01.14

『ともだちからともだちへ』アンソニー・フランス/ティファニー・ビーク

|| だれかが自分を大切に思ってくれているって、
|| なんだかいい気持ちです。

とてもいい天気の朝。けれどもクマネズミは、カーテンも開けずに部屋のなかでぼんやりしていました。今日もまた、“パジャまんま”になりそうでした。“パジャまんま”というのは、顔も洗わず、ひげの手入れもせず、パジャマを着たまんま一日中ぼんやりしていることを言います。

「あーあ、つまんないな。なんにも することがない」
クマネズミがため息をついたちょうどその時、外の郵便受けに黄色い封筒が届きました。差出人の名がないその手紙には、こんなことが書かれていたのです。
「きみは すてきな ともだちです。……」
クマネズミは、手紙を書いた人を探しに行くことにしました。すっかりきれいに身支度をして手紙を持ち、スキップをしながら。
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2004.12.17

『セレスティーヌのクリスマス』ガブリエル・バンサン/もり ひさし

|| 確かな線描が深い愛情を描き尽くす
|| 「くまのアーネストおじさん」シリーズのクリスマス絵本

セレスティーヌのクリスマスねずみの女の子セレスティーヌは、くまのアーネストおじさんと2人暮らし。ある冬、セレスティーヌはクリスマスにお友達を呼んでホームパーティーを開きたいと言い出します。
「そんなお金ないよ」「お金なんていらないわ」
渋るアーネストにセレスティーヌはツリーもプレゼントも料理もすべて手作りすることを提案し、2人は早速準備に取りかかりました。進めているうちに、だんだん楽しくなってきて――。クリスマスの日。友達が大勢やってきたのです。
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2004.11.26

『ぐりとぐらのおきゃくさま』中川李枝子/山脇百合子

ある冬の日、ぐりとぐらの家に
謎のお客さまが訪れたのです。

ぐりとぐらのおきゃくさま野ねずみのぐりとぐらは、森で雪の上に大きな穴がいくつも開いているのを見つけました。落とし穴かと思ったら、それはなんと足あとだったのです。くまより大きなこの足あとの主は一体だれなんだろう? 疑問に思った2人は足あとをたどってみることにしました。森を抜け、原っぱを通り、たどり着いたのは1軒のおうち。なんだか見たことのある場所だと思ったら……。
「ここ、ぼくたちの うちじゃないか」
ぐりとぐらの家に入り込んだ大きな足あとの主とは一体――?
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2004.10.15

『2ひきのわるいねずみのおはなし』ビアトリクス・ポター

いたずらねずみが人形の家で尽くした
悪事の限り?!

2ひきのわるいねずみのおはなし昔あるところに大変きれいな人形の家がありました。ある日、家の主人のルシンダとジェインという2人の人形が出かけた隙に、トム・サムとハンカ・マンカというねずみの夫婦が入り込みました。2匹は家の2階に上がり、食堂をのぞきこむと、きいきい声を上げて喜びました! とてもおいしそうなごちそうがテーブルの上に並んでいたのです! 早速それを食べようとした2匹でしたが、ハムはとてもかたくて切れないし、魚は皿にくっついて取れません。だってそれは、人形用のおままごとの道具だったのですから。怒った2匹は家をめちゃくちゃに荒らしはじめ……。

ねずみの様子も実にかわいく描かれている、ピーターラビットシリーズ第7作。
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2004.09.20

『モペットちゃんのおはなし』ビアトリクス・ポター

モペットちゃんのおはなしおや、ねずみの音がしたなと、子猫のモペットちゃんは思いました。ねずみは、モペットちゃんをからかっています。子猫なんか怖くはありません。そこでモペットちゃんはねずみをつかまえようと知恵をめぐらせ――。

猫好き悶絶必至の2冊め。ピーターラビットシリーズ第6作。
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2004.07.22

『ぐりとぐらのかいすいよく』なかがわりえこ/やまわきゆりこ

うみぼうずに出会う冒険物語と
海水浴の楽しさがつまった、ぜいたくな一冊

ぐりとぐらのかいすいよくのねずみのぐりとぐらが波打ち際で遊んでいると、沖からとうもろこしの皮をおなかに巻いた瓶が流れつきました。中に入っていたのは、手紙と地図とうきぶくろ。「しんせつなともだちへ しんじゅとうだいへきてください。うみぼうずより」。「しんせつな ともだちって、ぼくたちのこと?」ぐりとぐらは早速うきぶくろをふくらませ、真珠灯台を目指すのでした。
♪うみは はじめて ぐりと ぐら
なみに ゆられて だいぼうけん……♪
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2004.03.09

『イワンとがらくたべやのともだち』マルタ・コチ

いつからわたしは、がらくたの価値が
わからなくなってしまったのだろう

イワンとがらくたべやのともだちイワンの家の屋根裏部屋は、古い長いすやがらくたばかり置いてある、がらくた部屋。イワンはがらくた部屋が大好き。飛び乗ると「ぼよよよーん」とイワンを受け止めてくれる長いすは「ボヨン」、「ちゅー」と鳴いて「たん」と足踏みをするねずみは「チュータン」。どちらもイワンの仲良しだ。ある日、家の前にトラックが停まって、がらくたを運んで行ってしまった――。
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子どもはだれしも、秘密基地にあこがれる。わたしも昔、プレハブの空き家に入り込んで、友達と秘密基地を作ったことがある。お気に入りの本やがらくたを置いた、それはわたしたちにとってすごく大事な場所だった。イワンにとってがらくた部屋は、そんな秘密基地だった。

仲良し2人(?)にイワンがつけた「ボヨン」と「チュータン」という名前が、すごくいい。イワンと一緒にボヨンの上で、チュータンと遊んでいるかのように、彼らが身近に感じる。そばかすだらけのイワンの顔が、またいいんだ。絵には郷愁を誘われる。

でも、大人には「がらくた」の価値がわからない。お母さんは、ゴミ集めの車にがらくたを運ばせてしまった。そういえば、ああ、わたしもいつから、がらくたの価値がわからない大人になってしまったんだろう。胸を痛めながら、読み進める。

三輪車に飛び乗り、ボヨンとチュータンを探しに行くイワン。がんばれ、がんばれ! 空き地に積まれたゴミの山。チュータンとは再会することができたけど……。

よく みると,ボヨンは おもい がらくたの したで,ぺちゃんこ。
 イワンとチュータンのなみだが,ボヨンのうえに,ぽとり,ちろんと,おちた。

チュータンと出会えたイワンの、うれしそうな、やさしい顔。子どもがこんなに大切にしていたものを、それと気づかず大人は処分してしまうことがある。イワンの身になりながら、ともにボヨンを思って夜空の月を見上げ、イワンの母の身になりながら、大人になってしまった自分の非情さと無神経さを少し呪った。

「秘密の宝物を持つ」というこの感覚、3歳の息子はまだ持っていないかな? それがわかるようになると、より深くこの絵本が心にしみるだろうなと思いながら、「ぼよんは なんでつぶれちゃったの?」と問いかけてくる、息子の顔を見つめた。

▼オススメ度
よん(母)------------> ★★★
ルンバ(長男/3歳)-> ★★☆

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▽マルタ・コチ(作・絵)関根榮一(文)/学習研究社(2003/10復刊)
※1972年創刊の月刊保育絵本「学研ワールドえほん」に掲載された、370以上のタイトルの中から厳選して復刊されたシリーズ絵本「ワールドピクチャーブック」の1冊。

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2004.02.16

『14ひきのさむいふゆ』いわむらかずお

寒い冬も、楽しくけなげに生きるねずみたち

14ひきのさむいふゆ激しい風に雪が舞う、ある寒い冬の日。ほんわりオレンジ色のあたたかな光が窓からもれています。そこは14ひきのねずみの家族の家。ダルマストーブとろうそくの火で暖をとりながら、なにやらそれぞれ作業にいそしんでいるねずみたち。やがて、おいしいおやつを頬張りながら、ゲームが始まります。あっ、雪がやんだ! 今度は外に出て、身体を動かして元気に遊びます。寒い冬も、彼らは楽しくけなげに生きているのです。
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2004.01.28

『だいじょうぶかしらねずみくん』五味太郎

ふんだりけったりの、その後は

だいじょうぶかしらねずみくん

ぼんやりと歩いている、ねずみくん。だいじょうぶかしら?
「あっ だいじょうぶじゃない ねずみくん ぶつけられました」…これがねずみくんの受難の1日のはじまりでした。なぜだかねずみくん、とことんツイてません。ゴリラが、へびが、ワシが、馬が、ねずみくんをひいたり、ふみつけたり…。

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2004.01.22

『14ひきのあさごはん』いわむらかずお

どんぐりパンを食べてみたい

14ひきのあさごはん「おとうさん、おかあさん、おじいさん、おばあさん、そしてきょうだい10ぴき。」森に暮らす14ひきのねずみの家族の1日は、朝ごはんの支度から始まります。おとうさんが薪を割り、おばあさんとおかあさん、おねえさんたちはどんぐりの粉でパンを焼く。兄弟たちは野いちごつみに出かけます。滝を越え、森の虫たちにあいさつをし、たくさんの野いちごを摘んで帰るころには、「きのこもはいって、とくべつおいしいおとうさんのスープ」も出来上がり。あたたかでおいしい食卓を囲んで、今日という新しい日が、さあ始まりです。
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