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2005.01.24

『はらぺこあおむし』エリック・カール/次男が初めて絵本を読んだ!

|| 数日前、それは突然訪れました。
|| 次男がこの『はらぺこあおむし』を手に、
|| わたしのもとにやってきたのです。

はらぺこあおむし
あたたかい日曜日の朝です。
卵からちっぽけなあおむしが生まれました。
おなかがぺっこぺこだったあおむしは、食べるものをさがしはじめました。
月曜日には、りんごを一つ。火曜日には、なしを二つ。
それでもおなかは、ぺっこぺこ……。

――鮮やかな色彩が美しい。39カ国語に翻訳され、その出版部数は2500万部を超えるという、世界で最も有名かつ人気のあるしかけ絵本の一冊。
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あまりに有名すぎて、レビューを書けずにいる絵本が何冊かあります。この『はらぺこあおむし』もその一冊。小さい子どもを持つお父さんお母さんなら、一度はその名を聞いたことがあるのではないでしょうか。分類するのであれば「しかけ絵本」。けれども決して奇をてらったしかけではなく、実にウィットに富んでいるんです。

――くいしんぼうのあおむしは、食べ物を探してさまよい続けます。月曜日にはりんごを一つ、火曜日にはなしを二つ、水曜日には……。あおむしが食べた後の食べ物には、小さな丸い穴が実際に開けられています。曜日を追うごとに食べ物の数は増え、 もちろん穴の数も増えていく。土曜日にあおむしの食べたものの量といったら! 食べ過ぎたあおむしはおなかが痛くなってしまいます。けれども日曜日、緑の葉っぱを食べて快復し、まもなくさなぎになって……。

さあ、『はらぺこあおむし』に子どもが惹きつけられる要素を考えてみましょう。まずなんといっても穴。この本に出合った子どもたちは、必ずといっていいほどこの穴に指を入れて遊びます。指を入れたままページをめくって指先がぴょこんと飛び出しているのを確認してみたり、今度は指を抜いて穴をのぞき、そこから見える小さな風景を楽しんでみたり。

さらに、食べ物が登場する部分は紙が階段状に重ねられています。食べ物が一つなら一つ分、二つなら二つ分の横幅に切られていて、少しずつ幅を広げていっているのです。ここがまたそそるんですね。階段状の紙をしきりにめくっては大喜び。

そして、おいしそうな食べ物がたくさん登場します。くいしんぼうさんにはたまらないでしょう。あおむしが蝶々になる過程もきちんとわかります。虫好きさんにはたまらないでしょう。

それからそれから。曜日と数の概念が盛り込まれています。短くリズミカルな文章で構成されているこの絵本、繰り返し読んでいるうち、子どもは文章をそっくり覚えてしまうかもしれません。すると水が地面にしみ込むみたいに自然に、曜日と数の概念が身についてしまうのですね。

子どもの興味をそそる内容がこれほど多く盛り込まれている絵本はなかなかありません。それが押しつけがましくなく、歌詞のようにリズミカルな文章で、グイグイ読ませてくれる。聞いているだけでも楽しい気分になってきます。

けれどもなにより素晴らしいのは、絵と色の美しさ。息をのむほどの鮮やかな色彩は、眺めているだけでなんとも幸せ。

エリック・カールさんの絵は、彩色した紙を切り貼りした「貼り絵」の技法を用いています。なんでも、ティッシュペーパーにあらかじめ色を染み込ませたものを何枚も作り、それを貼り合わせて絵を描いていくのだとか。しかしこのティッシュペーパー、日本でいうティッシュペーパーとはちょっと違う代物なのだそうです。実物を見ていないのでわからないのですが、おそらくはインクが染み込みやすく、かつある程度の強度を持ち合わせた紙なのではないでしょうか。日本のティッシュペーパーのような紙ではすぐに破れてしまって、貼り絵にはいかにも向いていなさそうですものね。

扉ページには色とりどりの丸い玉が重ねられており、虫の卵を彷彿とさせます。そして見返しには、この玉を切り抜いた後の紙が貼り合わせられている。扉を描いた後、ふと思いついて後の紙を貼ってみたら、おもしろいものができあがった!ということのよう。

大人が眺めていても飽きません。とにかく素晴らしい絵本です。

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さて、現在4歳3カ月の長男が赤ちゃんの頃から持っていたわが家では最も古株といえる絵本の一つにも関わらず、いままでレビューを書けずにいたのに、なぜ今になって書く気になったのかというと、実は次男@1歳4カ月が突然この絵本にハマッたからなのです。

長男が絵本好きであるため、常に絵本を傍らにして育ってきた次男。しかし彼は一向に読み聞かせには興味を示さず、長男に絵本を読んでやっていても、邪魔しにくるか、あるいは絵本のページをめくったり破いたりということにしか関心がありませんでした。まあ、0〜1歳の赤ちゃんの大半は、こんな感じなんじゃないかと思います。長男もこの時期はひたすら絵本を破いて遊んでいました。

長男の時の経験から、おそらく次男が絵本を楽しめるようになるのは2歳近くなってからだろう…とのんびりと構えていた数日前、それは突然訪れました。次男がこの『はらぺこあおむし』を手に、わたしのもとにやってきたのです。

このごろ物の受け渡しを延々繰り返すという遊びに凝っていた彼だったので、またその遊びかなと思い、次男から受け取った絵本をすぐに返したら怒るではありませんか。「もしかして、読んでほしいの?」半信半疑で本を開きタイトルを読み上げたところ、次男の顔がパーッと輝いて、うれしそうにわたしの膝に座り込んできたのです。そうして次男は、初めて絵本を一冊通して聞きました。

無事に最後まで読み終えて、「おしまい」と本を閉じると、また表紙を上にして「んー、んー!」と差し出してくる。そう、もう一度読めとせがむのです。驚きながら、もう一回。「おしまい」「んー!」、もう一回。そんなこんなでエンドレスに何度も何度も「読んで!」攻撃。いやはや驚きました。周囲には1歳前から絵本を読んでもらうのが大好きな赤ちゃんもいましたが、わが家の子がこんなに早い時期から絵本を楽しむようになるとは正直思っていなかったんです。これからは、長男と次男ふたりして「よんで、よんで!」のダブル攻撃に遭うことになるのでしょう。うれしい反面、こりゃあ大変だあ…とも思ってしまう、次男突然のハマりぶりなのでした。

余談ながら、わが家にはこの絵本が2冊あります。1冊は長男が赤ちゃんの時から読み込んでいるもの。穴に指を入れて遊ぶので、少し破けてきているところがあるのです。もしも一代目がお役目を全うしたら、きれいな姿で本棚に眠っている二代目を登場させるつもり。それくらいにおすすめの一冊です。

読み聞かせは1歳ごろから。ファーストブックとしてもおすすめです。

オススメ度
よん(母)------------------> ★★★
ルンバ(長男/4歳3カ月)-> ★★★ ※長男が読み始めたのは2歳ごろから。今でも好き。
パルタ(次男/1歳4カ月)-> ★★★ ※次男、記念すべき初参戦!

▼『はらぺこあおむし』>>amazon | >>bk1
エリック・カール(作) もり ひさし(訳)/偕成社(1976/05 原著“THE VERY HUNGRY CATERPILLAR”は1969)/印刷:小宮山印刷/製本:大村製本

▼ボードブック(本文もすべて厚紙で作られた絵本。頑丈)>>amazon | >>bk1
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▼そのほか、ビデオやおもちゃなど関連商品がたくさん

▼おもちゃ
はらぺこあおむし パズルわたしだけのはらぺこあおむしはらぺこあおむし トランプはらぺこあおむしノート

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はらぺこあおむしロンパース(Click Beatle)はらぺこあおむし ワンポイントくつしたはらぺこあおむしロンパース(ブルー)Carter's はらぺこあおむし ローブ(イエロー)

エリック・カール コレクション はらぺこあおむし DVD
(ビデオ)はらぺこあおむし
(CD)エリック・カール絵本うた

▼関連情報
▽エリック・カール(Eric Carle)プロフィール:1929年、米ニューヨークに生まれる。1935年、両親の故郷であるドイツのシュツットルガルトに移住。1950年、シュツットルガルト造形美術大学卒業。1952年、ニューヨークに戻り、ニューヨークタイムズのグラフィックデザイナーとなる。1956年、広告代理店のアートディレクターとなる。1963年、フリーのデザイナー、イラストレイターに。1968年、創作絵本『1,2,3どうぶつえんへ』を刊行。

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Comments

ウチもこの絵本、大好きです。いい絵本ですよねー。でも次男ちゃんかわいー。いいエピソードですね。こんな風に絵本が好きになっていくのですねぇ。

ウチの次男は今、ちょうど「おつきさま」にはまっています。だからお月様の出てくる絵本が全部お気に入り…(^_^;)

Posted by: Yumikoit | 2005.01.24 at 14:03

エリック・カールさん、いいんですよね!
ワタシは、エリックさんの色使いが大好きですね。
とてもきれいな色をしています。
エリックさんの描く虫・動物・海の生き物・空・宇宙ete・・・み~んな、すてきな色なんです。
この本があまりにも有名すぎますが、他の絵本もすばらしいです。
--(や)--

Posted by: 山猫編集長 | 2005.01.28 at 20:44

はじめまして!
わたしも、大人のための子どもの本のブログとメルマガはじめたのですが、ちょうど同じ頃にこの『はらぺこあおむし』をとりあげていらしたなんて、なんだかご縁を感じてうれしいです。

丁寧で、お母さんとしてのまなざしがあたたかく感じられるレビューですね(^^)。エリック・カールさんが、そうやって絵を描いていらしたとは知りませんでした。さすが!

トラックバックさせていただきましたので、
よかったら遊びにきてくださいな♪
黒猫といっしょに待ってます。

Posted by: 本棚の魔女 | 2005.01.30 at 23:58

▼Yumikoit さん
本当に、いい絵本ですよねぇ。わたし、あまのじゃくなもので、世のヒット作に対して斜に構えてしまうところがあるんですが、こと絵本に関しては長く読み継がれているもの、人気の高いものにはずれはないのだなあとつくづく感じています。
次男はその後『がたんごとん がたんごとん』を楽しんでいます。
お月様の絵本はかわいいものが多いですよね。長男も好きです。

▼山猫編集長さん
エリック・カールさんの色彩は本当に素晴らしいですよね。見るたびにため息が漏れます。人気が高いので、図書館に行っても貸し出し中のものばかりで、なかなかゆっくり読めないんですよねぇ。ほかの絵本ももっともっとたくさん読みたいんですが。

▼本棚の魔女さん
はじめまして。うれしいお言葉をありがとうございます。サイト、拝見してきました。絵本やお話への愛情がいーっぱいあふれていますね。読んでいてワクワクしちゃいました。
これからもどうぞよろしくお願いします♪

Posted by: よん | 2005.01.31 at 08:53

よんさま こんにちは。
遅まきながら・・・「ココログブックス・コンテスト」ノミネートおめでとうございます。

これはコメントつけないと!と思いながらも
どなたもコメントを付けていなかったので(最初って勇気がいりますね)
躊躇しているうちに期間終了になってしまって・・・


>審査員Mさんの解説にもありますが、
>普段は絵本に縁のない私も楽しめるプログです。
>
>ママからみたオススメ度と
>子どもからみたオススメ度が星の数で評価されていて
>どの絵本を買おうか迷っているママにぴったりです♪
>
>私も子どもを授かったら、年間400冊もの絵本を読んだよんさまを見習って、子どもと一緒に楽しみたいと思います。


と書きたかったのですが(笑

もうず~っと絵本は読んでこなかったのですが、
最近、図書館に行ったときに立ち寄るコーナーが変わってきてしまいました(^^ゞ

うちのような拙いページを「Blog Link」のお仲間に入れてくださって、感謝してます。
うちのだんなさまも、とっても喜んでいました。望外の幸せです♪

Posted by: みゆき | 2005.02.03 at 20:30

▼みゆきさん
わあ、みゆきさんだ!書き込みありがとうございます♪
読者賞、なかなか書き込みづらい雰囲気でしたよね〜。コメント用意してくださっていたなんて、本当にうれしいです。…というか、うちのブログを読んでくださっていたなんて…! わあーい。

>うちのような拙いページを「Blog Link」のお仲間に入れてくださって、感謝してます。

って、何をおっしゃっているんですか〜!
うちなんかより、みゆきさんのところのほうが、正真正銘・人気ブログじゃないですか。もううちなんてノミネートされたこと自体不思議ですし、恥ずかしいくらいですよ。

みゆきさんのお料理はいつも美味しそうで、見とれています。だんなさまは幸せ者だなあと思いながら、いつも見ているんですよ〜♪どうぞよろしくお伝えくださいませ。

Posted by: よん | 2005.02.11 at 17:27

よんさん こんにちは。
先日「はらぺこあおむし」を買って息子に
毎日見せていたら、ついに!
ついに楽しそうに絵本に反応するようになりました。頁をめくっては
「むち、いたー!」といって笑う顔を見ると、とても嬉しくなって膝に抱えてずっと一緒に見ていました。
これからもおすすめの絵本参考にさせていただきます。ありがとうございました。

Posted by: くるっぱー | 2005.02.27 at 02:43

▼くるっぱーさん
ご返事がすっかり遅くなってしまいました。
1月末から家の中に病魔がはびこっていて、ものすごいことになっていまして…。風邪に始まり、水疱瘡やら手足口病やらインフルエンザやら、病気のオンパレードでした。

さてさて、息子さんが絵本に反応されたとのこと!
よかったですね♪
はじめて反応してくれた時って、とってもうれしいんですよね。
これからきっと楽しい絵本タイムが待っていますよ。

Posted by: よん | 2005.03.11 at 22:28

はじめまして、こんにちは。HOIと申します。
「はらぺこあおむし」をサーチしていたらこちらにたどり着きました。昔の記事へのコメント・・・ちょっと迷いましたが、よんさんの「はらぺこあおむし」に対する熱い思いを読んで、カキコしたくなっちゃいました。

私は自分のブログで英語の絵本を中心に紹介しています。今回「はらぺこあおむし」を紹介したのですが、よんさんがおっしゃっている通り、あまりにも有名な絵本なのでコメントするのが難しいですよね。
私は英語という観点からこの絵本を紹介しました。絵だけでなく、英語や文章も本当に素敵です。
エリックさんの絵本はどの本も魅力に溢れていて全世界で多くの人に愛されているのも納得ですよね。
(家にはエリックさんのサイン本があるんです。←ちょっと自慢)

プロフィールを拝見させてもらったところ、よんさんのお気に入りの絵本は私のお気に入りでもあることがわかりました。「バーバーパパのいえさがし」、「おおきなおおきなおいも」・・・私もよんさんと同じこと思って読んでいました。今ではこの絵本は娘のものです。

長々とすみません。
もしお時間がありましたら、私のブログも覗きに来てくださいませ。

http://bookforkids.seesaa.net

またこちらにもお邪魔させて頂きますね。

Posted by: HOI | 2006.02.13 at 23:38

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