『ぼく おかあさんのこと…』酒井駒子
「ぼく おかあさんのこと…」
イスに腰かけたウサギの男の子のつぶやきから、物語は始まります。
「おかあさんのこと…」と来れば、 次に来る言葉は決まってるじゃないですか。好き? ううん、だーい好き、かな?
わくわくしてページをめくってみれば、大きな文字でひとこと「キライ。」。えええええ〜〜っ?!
その理由というのがまた、身につまされる。「ねぼすけ」「すうぐおこる」「はやくしなさいっていうくせに じぶんはゆっくりしてる。」エトセトラ、エトセトラ……。絵本を読みながら思わず「うわあん、ごめんなさい!」と謝りたくなってしまうような子どもの本音が次々に。豆粒のように身を縮めて読んでいたら、一変する雲行き。実は「おかあさんのことキライ」な一番の理由は、「ぼくとはケッコンできないっていう」からだと言うんです。男の子を持つ身として、これほど母親冥利に尽きる言葉がありましょうか。
けれども怒りのおさまらないうさぎの男の子、とうとう部屋を飛び出していってしまいます。男の子が出て行ってしまった後のおかあさんの淋しげな表情が印象的。でもね、男の子ったら、ちゃーんと戻って来られるように伏線をはっているんです。なんて駆け引き上手なんでしょう。こんな風に振る舞われたら、母はもうメロメロですよ。
読み終えた後には子どもを抱きしめずにはいられない一冊。
実はここのところ長男@4歳3カ月の破壊活動がものすごくて、トゲトゲした日々を過ごしていたんです。カーテンレールを折られたりビデオにハンガー突っ込んで壊されたり(復活しましたが)次男のエプロンをはさみで切り刻まれたり……、イタズラをされるたびに長男を怒ってばかり。そんな自分にうんざりして、どうにも煮詰まっていたら、長男がこの絵本を「よんで」と持ってきました。
膝の上に長男を抱っこして読み始めたら、ごく自然に彼をギュッと抱きしめてしまった。そうしたら、 彼のやわらかなモチ肌にすっかり癒されて、溜め込んでいたストレスがすーっと消えていったんです。 おかげで長男とも仲直り。イライラした時は、抱きしめるに限りますね。 それを自然にさせてくれるこの絵本、育児にちょっと煮詰まった時におすすめです。絵もとてもあたたかく可愛くて、親子そろって幸せな気持ちにさせてくれますよ。
読み聞かせは3歳ごろからどうぞ。
▼オススメ度
よん(母)------------------> ★★★
ルンバ(長男/4歳3カ月)-> ★★☆
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▽ 酒井駒子(文・絵) /文溪堂(2000/05) /編集:トムズボックス/製版:システムクラフト/印刷:図書印刷/製本:小高製本
▼関連情報
▽酒井駒子(さかい・こまこ)プロフィール:1966年生まれ。東京芸術大学美術学部卒。






Comments
はじめまして☆
いつもエントリを楽しみにしています。
うちの息子はまだ1歳なので、ちょっと読み聞かせるにははやいのかな?でも、私が読んでみたい~と強く思いました(^^;やんちゃになってきたら、必ず買って、時々親子で開いてみたいと思います♪
Posted by: ルミママ | 2005.01.21 at 10:26
>ルミママさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
そして、ココログブックスコンテストのほうにも投票してくださったんですね。とてもうれしかったです。
この絵本は男の子ママには強く強くおすすめしたいです。酒井駒子さんの絵はイラストレーションとしても非常に質が高く、可愛くて切なくて美しいので、自分用としても楽しめると思いますよ。
Posted by: よん | 2005.01.23 at 12:10
はじめまして。
昨日、遊びに行った友人宅で娘に
この絵本を頂きました。
息子のいる彼女から、というのにふさわしい本で
そんな彼女からのプレゼントだと思うと、
クライマックスでは涙が出そうになりました。
今日はトラックバックを頂いて帰ります。
Posted by: タヒチとココア | 2005.12.28 at 14:09