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2004.11.09

『かようびのよる』デヴィッド・ウィーズナー

絵はここまで饒舌になれるのか。
極上エンターテイメントここにあり。

かようびのよる
この出来事はある火曜日に、アメリカのとある街で実際に起こったことです。
もしかすると、これからも火曜日の晩にまた不思議なことが起きるかもしれません――。
-----

この絵本には、文字はほとんど添えられていません。しかし文章はなくても、細部まで描きこまれた饒舌な絵が十分に物語を伝えてくれます。むしろ文章がない分、想像の幅が広がって、楽しみが増している――、そんな風に感じる絵本です。

物語の舞台はアメリカのとある街。火曜日、夜8時ごろのこと。蓮が咲き葦が生い茂る静まり返った池に、ある変化が起きていました。池に棲むそれはたくさんのカエルが――、蓮の葉に乗って空を飛び始めたのです。

見れば、空には数百とも数千とも思える数のカエルが飛んでいます。緑のや茶色いのや大きいのや小さいのや、種類もさまざま。彼らは一体どこを目指しているのでしょうか。このままずっと、いつまでも飛び続けるのでしょうか――?

描かれているカエルたちは、ぶよぶよした皮のたるみまで実にリアルで、一歩間違えれば「気持ち悪い」ともとられてしまいそうですが、不思議と可愛い。それは恐らく彼らのくりくりっとしたまんまるなお目めと、豊かな表情のためでしょう。一匹一匹の表情や仕種を確かめるように画面の隅々までじっくり眺めると、それぞれのカエルのいろいろな性格が見えてきて、実に楽しい。夜が明け、昨日の出来事に思いを馳せる人間たちの様子も、とてもおかしいのです。

文字がないから読み聞かせには躊躇するかもしれませんが、カエルの様子をただ追うだけでとにかく面白いので、そう心配しなくても大丈夫。子どもと一緒になって画面の中の発見を楽しめば、それで十分読み聞かせになると思います。

とにかくシュール。そして映画のような一冊。
絵本をじっくり眺めることができる3歳くらいから楽しめるかな?
大人にも自分のためにぜひ読んでほしい、極上のエンターテイメントです。

▼オススメ度
よん(母)------------------> ★★★
ルンバ(長男/4歳1カ月)-> ★★☆

▼『かようびのよる』>>amazon | >>bk1
デヴィッド・ウィーズナー作・絵) 当麻ゆか(訳) /徳間書店(2000/05/31 原著は1991米)/装丁:森枝雄司/カバーフォーマット:前田浩志・横濱順美/印刷:図書印刷/製本:大口製本

▼関連情報
▽デヴィッド・ウィーズナー(David Wiesner)プロフィール:アメリカ、ニュージャージー州生まれ。ロード・アイランド美術学院卒業後、子どもの本の仕事を始める。1989年に初めての自作の絵本『フリーフォール』(BL出版)で、コールデコット賞(アメリカで最も優れた本に与えられる賞)に推薦され、1992年に本作『TUESDAY』で受賞。

※テーマ別絵本トラックバックプロジェクト「びびび絵本Web」さんの『絵が言葉以上に語る絵本』にトラックバック。

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Comments

はじめまして。でりさです。
トラックバックピープルから飛んで来ました。
この本、先日図書館から借りて来て読みました!
子供(5才・女)が何も知らずに自分で選んだんですけど、
(夜/お化け/怪獣ものが好きなので)
ふたりで読んでびっくり!!
最初はなにこれーっ!!て感じでしたが、
そのシュールさを受入れたあとは2人できゃーきゃー、がはがはと、
ものすごい盛り上がっちゃいました(^ ^)/

保育園へ持って行くーと子供が言ったので、
持って行ったところ、保育園の「絵本博士」の保育士さん(男)は、表紙をちら、と見ただけで、
「”かようびのよる”でしょ」
と言い当てたので、びっくりした記憶があります。
有名な絵本なのですね。

Posted by: でりさ | 2004.11.18 at 22:14

でりささん、はじめまして。
ご返事がものすごーく遅くなってしまってごめんなさい。書き込みありがとうございました。

そう、この本、とっても有名みたいです。
すごく面白いですよね〜。
文字が少ないからどう読もうかな?と思ったけれど、絵があまりに面白くて、心配無用でした。

Posted by: よん | 2004.12.10 at 02:11

この絵本すごい好きです!!
なんたってかえるの表情がいいですよ!!だからこそかわいく見えますよね!!
まだ持ってない絵本で、実は立ち読みで何度も何度もいろんな本屋さんで見ています。で、買おうとすると、なんか表紙がキレイでなかったり・・・。タイミングよく出会えてませんが、必ず立ち読みしてしまいます。

Posted by: しゅんてゅけ | 2005.02.14 at 21:13

そうそう、リアルな絵で下手をするとグロテスクに見えそうなカエルなのに、とっても愛らしく見えるのは、表情が豊かだからですよね! いつかよい出会いがあって、しゅんてゅけさんのもとに来てくれるといいですね。

Posted by: よん | 2005.02.25 at 15:25

はじめまして。TBさせていただきました。
「かようびのよる」読んだ人はみんな絶賛してますね。僕も大好きです。インパクトがすごいし、細部もすごいとおもいます。(^_^)

Posted by: サイトー | 2005.03.22 at 11:41

▼サイトーさん
はじめまして。トラックバックありがとうございました。
この絵本のインパクトはすごいですよね!
かなり衝撃的な1冊でした。
子どもも大好きなんですよ〜。

Posted by: よん | 2005.03.26 at 01:18

はじめまして
「絵本棚」すごくいいですね。

かわいくて見やすくて、良いブログに出会えてうれしいです「かようびのよる」の感想欄をご紹介させていただきました。
 同じ作者の「1999年6月29日 」もあわせて大好きです。

また、遊びに来ますね。

Posted by: mako44moko | 2005.05.01 at 14:05

▼mako44moko さん
はじめまして!
取り上げていただいて、ありがとうございます。
ただ、あの絵本棚は「ブクログ」というサービスを利用して作っているものでして、並べてある絵本はわたしが登録したものですが、システム自体はわたしのオリジナルではないのです…。利用している方、たくさんいらっしゃるはずです。

>同じ作者の「1999年6月29日 」もあわせて大好きです。

この本はまだ読んだことがありません。
今度探してみることにしますね。

これからもどうぞよろしくお願いいたします〜。

Posted by: よん | 2005.05.03 at 18:51

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