『へんなどうつぶ』ワンダ・ガーグ
75年前に出版された超ロングセラー!
子どもを惹きつけてやまない黒白の不思議な絵本
山奥に住んでいる優しいボボじいさんは、鳥や動物たちが食べ物をもらいに来るのを毎日楽しみに待っていました。ところがある晴れた日、これっまで一度も見たことのない変な動物がやってきたのです。その動物は、頭の先からくるりと巻いたしっぽの先まできれいな青いとげとげがついていました。
「あんたは,なんちゅう どうぶつだい?」
ボボじいさんが聞くと、変な動物は答えました。
「ぼか どうぶつじゃない」「ぼか どうつぶ!」
そのどうつぶは、人形が好物だと言うのです。変などうつぶがあちこちで可愛いちいちゃい子どもたちの人形を食べ歩いているさまを思うと、ボボじいさんのほっぺたを涙が流れ落ちました。ボボじいさんは、なんとかどうつぶに人形を食べることを忘れさせる方法はないものかと考えました。そして――。
1929年にアメリカで出版された黒白の絵本。
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いまから75年も前に作られ、絵には色もついていないのに、 子どもたちを引き寄せてやまない不思議な絵本です。ペンによる力強いタッチの絵の中で、登場人物は生き生きのびのびと動き回ります。なんという表情の豊かさ、なんという奔放な動き、なんという楽しい画面構成。色など使わずとも、わたしたちは心の中でその情景に色づけしながら、十分に楽しめます。特にくりくりお目めのボボじいさんの顔は必見。ヒゲさえなければ赤ちゃんにしか見えないような、おちゃめで愛らしいベビーフェイスなのです。
大体、「どうつぶ」というネーミングからしていいじゃありませんか。この名訳は、渡辺茂男さんによるもの。 彼はワンダ・ガーグの絵本との出会いを、はさみこみのリーフレットでこう語っています。
いまから20数年前,わたしは,ニューヨークの公共図書館で,子どもたちを相手に,児童図書館員として働いていました.児童図書館員の大事な仕事の中にストーリー・テリング(お話を語ってやること)と絵本を読んであげることがありました.「絵本の時間」で人気のある本の中に,幼い子どもたちを,ふしぎな,しかも素朴な物語の世界へ魅きこんでしまう,昔話風の,それこそふしぎな黒白の絵本が数冊ありました.
(中略)
ワンダ・ガーグは,アン・カロル・ムーアのことばを借りれば,「自分で気づかずに,1928年から始まるアメリカの子どもの本の躍動期の発電力となったのです。」
そう、この絵本は素朴なあたたかさに満ちています。それから、想像力豊かなお話の世界の楽しさにも――。ボボじいさんの作戦によってしっぽが長く長く伸びたどうつぶの姿、その描かれ方には、子どもならずともワクワクしてしまいます。
こんな黒白の昔の絵本を、子どもたちが喜ぶんだろうかという疑問を抱く人も多いでしょう。疑う前にまず子どもに読んでみてください。「どうつぶ」という妙な生き物の姿に釘づけになること請け合いですよ。 わが家の長男@4歳も、ご多分に漏れずそうでした。彼の場合、恐竜好きだからというのもハマッた理由かもしれません。どうつぶの姿は、恐竜にちょっと似ているのです。
読み聞かせは4歳前後からどうぞ。
▼『へんなどうつぶ』>>amazon | >>bk1
※現在、残念ながら在庫切れです。
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▽ ワンダ・ガーグ(文・絵) わたなべしげお(渡辺茂男/訳)/岩波書店<岩波の子どもの本>(原著は1929米)/印刷:錦印刷/製本:松岳社





Comments
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おひさしぶりです。
へんなどうつぶ、とてもユーモラスでかわいくて、年月を超えた面白さがありますね。
レビューを書くために久々に手にとったのですが
すぐに子どものころと同じように楽しめました。
Posted by: hyo-tan | 2005.10.04 at 12:06