2006.04.08

『ねずみくんとホットケーキ』なかえよしを/上野紀子

ねずみくんとホットケーキ
ガールフレンドのねみちゃんは、お料理が上手なんだって! ねずみくんはりすさんやぞうさんたちと一緒に、みんなでねみちゃんのお料理を食べに行くことにしました。
「ぼくはバナナのお料理がいいな」
「わたしは、クルミのお料理がいいな」
「ぼくは、チーズのお料理がいいなあ」
口々に自分の好きなものを挙げるみんなに、ねみちゃんは困った顔。それもそのはず、だってねみちゃんはねずみくんに「ホットケーキ作るの」って言ったはずだったのですから。さて、ねみちゃんは何を作ってくれるのかな…?

* * * * *

『ねずみくんのチョッキ』に始まるねずみくんシリーズの第14巻目。やわらかな鉛筆で描かれたかわいくて親しみやすいキャラクターたち、シンプルな文章でさらりと読ませるほのぼのした絵本です。

ねみちゃんは「ホットケーキを作る」とねずみくんに伝えたはずだったのに、「お料理上手」ばかりが印象に残ってしまったねずみくんは、ホットケーキのことをすっかり忘れてみんなを誘ってしまいました。だからみんな口々に勝手なことばかり言っちゃうのです。ホットケーキの材料しかないし、でもみんなの要望にはできるだけこたえてあげたいし…。悩みに悩んだねみちゃんの解決策に、みんな大喜び。「おいしい〜!」と喜ぶみんなに、ねみちゃんはひと安心するのでした。

名作絵本といえば必ず取り上げられる「ねずみくんシリーズ」なのに、そういえばなぜだかわが家ではあまり読んだことがありませんでした。たまたま図書館でこの本を手にとって、わたし自身がホットケーキに目がないこともあり、すぐさま借りてきました。5歳の長男も2歳の次男も大喜び。シンプルなお話なので、楽しめる年齢層はかえって幅広いのかもしれません。

黒、黄、赤の3色印刷なのに、描かれたホットケーキのおいしそうなこと。読み終えるとホットケーキが食べたくてたまらなくなります。
読み聞かせは2歳ごろからどうぞ。

オススメ度
よん(母)------------------> ★★★
ルンバ(長男/5歳5カ月)-> ★★★
パルタ(次男/2歳5カ月) -> ★★★

▼『ねずみくんとホットケーキ』>>amazon | >>bk1
▽ なかえよしを(作) 上野紀子(絵)/ポプラ社(2000/09)/印刷:瞬報社写真印刷/製本:大村製本
▽かな/32ページ/25cm

▽なかえよしを プロフィール:神戸生まれ。日本大学芸術学部美術科卒業。

▽上野紀子(うえの・のりこ)プロフィール:埼玉県生まれ。日本大学芸術学部美術科卒業。

▽関連情報
ねずみくん公式サイト

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2006.03.01

『ひいらぎはかせとフロストマン』たむらしげる

巨大なフロストマンが街中を凍らせてしまった。
やっつける方法はあるのかな?

ひいらぎはかせとフロストマン

ひいらぎ博士は世界一有名な発明の天才。
「わしさえ いれば、よのなか こわいものなしだ!」
そんなひいらぎ博士が、ある日思わず震え上がったんだ。
「たいへんだ、フロストマンがあらわれたぞ!」
街中の人や物を凍らせて歩き回る巨大なフロストマンを見て、ひいらぎ博士は考えた。どうすれば あいつを やっつけられるかな――?

* * * * *

図書館から借りてくるなり、わが家の兄弟が夢中になった絵本です。世界一の発明家・ひいらぎ博士が主人公のこの絵本は、博士の研究所の様子も、彼が発明する道具やロボットの数々も、どれをとってもわくわくするものばかり。しかもロボットまで出てくるのですから、子どもたちが夢中になるのも納得。フロストマンを倒すために思いついたアイデアだって、とびきり楽しいすごい方法。絵本を読み終えた後、同じ実験をやりたくなっちゃいます。

たむらしげるさんの絵本はこれまでに何冊も読んでいますが、わが家の子どもたちには総じてはずれなし。どれも必ず夢中になって、何度も何度も繰り返し読みたがります。宇宙や科学を身近だけど夢あふれるものに感じさせてくれるその世界観がたまらないのかもしれません。

お話が裏表紙まで続いているのも心憎い演出。全4冊出ているシリーズの4冊目。ほかの3冊も早速子どもたちからリクエストされているところです。

読み聞かせは3歳前後からかな? 2歳の次男も夢中です。

オススメ度
よん(母)------------------> ★★★
ルンバ(長男/5歳4カ月)-> ★★★
パルタ(次男/2歳3カ月) -> ★★★

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▽たむらしげる(作・絵)/フレーベル館(2001/10)/印刷:図書印刷

▽たむらしげる プロフィール:1949年東京生まれ。桑沢デザイン研究所修了。詩情とユーモアに彩られた独自の世界を絵本、漫画、映像作品、CD-ROMなど、メディアの枠を超えて発表している。公式サイト:たむらしげるスタジオ通信

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2006.02.26

『へんしんトンネル』あきやまただし

やみつきになっちゃう言葉遊びの本。

へんしんトンネル

この「へんしんトンネル」をくぐると、なぜかいろんなものが変身しちゃうんです。時計がトンネルをくぐると…毛糸に?! トンネルの秘密とは、一体…?!

* * * * *

ーー一つのことばを何度も続けて言っているうちに、別の言葉に変身してしまうことがあります。そんな言葉遊びを楽しむのが、この絵本。読み方にちょっとしたコツがいるけれど、ひとたびツボにはまったら子どもたちはもう夢中。5歳の長男も2歳の次男も「もう1回!もう1回!」と毎日のように連続コール。もう一段階アップして自分で同じ言葉遊びが考えられるようになると、より楽しめるのでしょうね。すっかり内容を暗記してしまった長男は、次の段階まであと少しかな? 次男も少しずつ内容を覚えて、復唱しながら聞いています。

あきやまただしさんの絵はとてもコミカルで、眺めているだけで笑顔になります。色づかいも入り組んでいない明るさで、いかにも楽しそう。

読み聞かせは、言葉をある程度お話できるようになった2歳ごろからどうぞ。

オススメ度
よん(母)------------------> ★★★
ルンバ(長男/5歳3カ月)-> ★★★
パルタ(次男/2歳2カ月)-> ★★★

▼『へんしんトンネル』>>amazon | >>bk1
▽ あきやま ただし(作・絵)/金の星社(2002/9)/印刷:廣済堂/製版:光明社/写植:松竹写植/製本:福島製本
▽ かな/32ページ/24.6cm

▽ あきやまただし プロフィール:1964年、東京生まれ。東京芸術大学デザイン科を卒業。『ふしぎなカーニバル』で第14回講談社絵本新人賞を、『はやくねてよ』で1995年に本絵本大賞を受賞。

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『ぴょーん』まつおか たつひで

なるほどこの手があったのか!
思わず膝打つしかけ絵本。

はじめてのぼうけん〈1〉ぴょーん

かえるが、ぴょーん。こねこが、ぴょーん。いろんな動物がぴょんぴょんはねる。その繰り返しのシンプルな絵本なのだけれど、本の形状をうまく使って、「ぴょーん」の様子をダイナミックに見せてくれる楽しい絵本。「はじめてのぼうけん」というシリーズ名にふさわしい、赤ちゃん大喜びの一冊。

* * * * *

初めてこの本に出会ったのは、とあるおはなし会でのことでした。ビッグブックを使っての読み聞かせだったので、物理的な画面の大きさによるダイナミックな動きとこの本の仕掛けの面白さとがあいまって、それはもう衝撃的な楽しさだったのです。ぜひ次男にもこれを読んであげなくちゃ…と図書館で手のひらサイズの普通版を探して借りてきました。

早速読んでみると、2歳の次男はもちろんのこと、5歳の長男まで大喜び。「よんでよんで」の大喝采です。2見開き1セットのこの単純な内容でここまで魅せるのは、実はかなりすごいことなのではないでしょうか。

作者は松岡達英さん。昆虫を題材にした絵本をたくさん描いている方で、虫好きの長男はもちろん、わたしも大好きな作家さんです。非常に細密だったりリアルだったりする絵を描くことの多い方なんですが、この絵本は恐らくコラージュの技法を活用しているからでしょうか、いつもとはガラリと雰囲気の違う、シンプルで愛らしい絵になっています。飛び上がっている動物たちの姿はかなりユーモラスで楽しい限り。

もう読み尽くした!というくらいに何度も読んでさらにリクエストされたある晩のこと、長男があることに気がつきました。奥付の前ページに描かれているカエルの様子が、表紙に出てくるカエルとはちょっと違っていたのです。長男に言われるまでまるで気づかなかったわたしは、ただただ感激。こんなにシンプルなこの絵本のなかに、こんな風にさりげなく「発見の種」「会話の種」を潜ませてくれていた松岡達英さんが、ますます大好きになりました。

自信を持っておすすめしたい赤ちゃん絵本です。もちろん0歳からどうぞ。

オススメ度
よん(母)------------------> ★★★
ルンバ(長男/5歳3カ月)-> ★★★
パルタ(次男/2歳2カ月)-> ★★★

▼『ぴょーん』>>amazon | >>bk1
▽ まつおか たつひで(作)/ポプラ社(2000/6)/印刷:瞬報社写真印刷/製本:大村製本
▽ かな/36ページ/16cm

▽ まつおか たつひで(松岡達英)プロフィール:1944年、新潟県長岡市生まれ。自然科学、生物のイラストレーターとして活躍中。世界各地での取材にもとづく多くの科学絵本を発表している。『すばらしい世界の自然』で厚生省児童福祉文化賞、『熱帯探検図鑑』で絵本にっぽん賞、『ジャングル』で厚生省児童福祉文化賞と科学読物賞を受賞。好きな食べ物はイワシとトビウオ。

▼関連情報
松岡達英のアトリエ Green Works:公式サイト

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2005.10.01

『おばけのコンサート』たむらしげる

おばけたちが開く楽しい宴

おばけのコンサート
古い家に小さなおばけが住んでいました。小さなおばけはハーモニカが得意。いつものようにハーモニカを吹いていると、トントン!だれかがドアを叩きました。おばけの奏でる音楽に引き寄せられるように、次々にだれかが訪ねてきて……。
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2005.09.26

『オリビア』イアン・ファルコナー

|| 奔放でエネルギッシュ、
|| ちょっぴりおしゃまな女の子・オリビアの日常

オリビア
オリビアは歌うことと踊ること、砂の城づくり、絵を描くことが得意な子ぶたの女の子。まわりの人を疲れさせるのも抜群のうまさ。奔放でエネルギッシュなオリビアのやんちゃぶりに、母親は毎日「ほんとにくたびれちゃう」。だけどやっぱりオリビアが大好きなのです――。

「ニューヨークタイムズ」52週連続ベストテン入り。全米書店員が選ぶ「2000年度売ることに最も喜びを感じた本」賞受賞。2001年度コルデコット賞銀賞受賞。
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2005.09.02

『マジョモリ』梨木香歩/ 早川司寿乃

|| 聖と俗、母と娘の不思議な交歓の物語

マジョモリ
淡い色彩と繊細な線で描かれた表紙には、葉の中の鍵穴と、つるの先にぶら下がる鍵。「鍵を開けてこちらにいらっしゃい」と招かれているような気持ちで、わたしたちは表紙をめくる。その装画の醸す雰囲気と、「マジョモリ」という題字の明朝体に、厳かな気持ちになりながら……。
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2005.05.23

『だれかな? だれかな?』なかや みわ

|| わが家の子どもが初めて出会った絵本

だれかな?だれかな?
壁にあいた小さな穴からのぞく顔。
だれかな? だれかな?
たた たたたたた ねずみさん。
次はだれかな?
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2005.05.20

『ないた』中川ひろたか/長新太

|| 1日1回ぼくは泣く。
|| どうしてだろう?

ないた
ぼくが泣いた場面、ぼくが泣いた理由。
赤ちゃんの泣き方、大人の涙。
「泣いた」をめぐる、「ぼく」の考察。
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2005.04.24

『ねむる』長 新太

|| 「ねむる」ってどういうことだろう。

ねむる

ねむる ということは、いきている
しょうこである。
ぼくは「ねむる」ということについて、
いま けんきゅうしているのである。

眠るって、どういうことだろう?
なにを明らかにするでもない、けれども深い問いを、考えることを促してくれる絵本。
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2005.04.15

『スモウマン』中川ひろたか/長谷川義史

|| 弱きを助け、強きをくじく、角界のニューヒーロー!!

スモウマン
ぼくはスモウマン。正義のためにたたかうぞ。
「スモウマーン!」
あ、ぼくを呼んでる人がいる。ドスコーイ!(飛んで行く)

…正義のヒーロー・スモウマンの痛快活躍絵本。
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2005.03.09

『でこちゃん』つちだ のぶこ

|| てこちゃんが、でこちゃんになっちゃった!!

でこちゃん日曜日、てこちゃんはお母さんに髪の毛を切ってもらいました。チョキチョキチョキ……はい、できあがり! さっぱりした てこちゃんの髪の毛を見て、みんなが大笑い。
「てこちゃんが、でこちゃんになった!」
お母さん、どうやらちょっと前髪を切りすぎてしまったみたいです。
てこちゃんはおでこが恥ずかしくて、幼稚園に行きたくありません。布団をかぶって泣いているてこちゃんに、お姉ちゃんが「おでこが好きになるおまじない」をしてくれました。見て見て、かわいいでしょ!
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2005.01.18

『ぼく おかあさんのこと…』酒井駒子

|| 母と息子のやりとりにホロリ。

ぼく おかあさんのこと…
ぼく おかあさんのこと…
キライ。
だって ねぼすけ なんだもの。

――ドキリとする出だしで始まる物語。読み終えれば息子を抱きしめずにはいられない、男の子ママ必読の一冊。
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2005.01.17

『なりました』内田麟太郎/山口マオ

|| 脱力感がクセになる!

なりましたかばが においを かぎまする
くん くん くん くん くん くん
あれあれ ぞうに なりました

いろんな動物たちが、次々に不思議な変身を遂げていく。
なんで? どうして?
そんなことを考えるものバカらしい。
ただただオカシイ、脱力系ナンセンスワールド。
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2005.01.14

『ともだちからともだちへ』アンソニー・フランス/ティファニー・ビーク

|| だれかが自分を大切に思ってくれているって、
|| なんだかいい気持ちです。

とてもいい天気の朝。けれどもクマネズミは、カーテンも開けずに部屋のなかでぼんやりしていました。今日もまた、“パジャまんま”になりそうでした。“パジャまんま”というのは、顔も洗わず、ひげの手入れもせず、パジャマを着たまんま一日中ぼんやりしていることを言います。

「あーあ、つまんないな。なんにも することがない」
クマネズミがため息をついたちょうどその時、外の郵便受けに黄色い封筒が届きました。差出人の名がないその手紙には、こんなことが書かれていたのです。
「きみは すてきな ともだちです。……」
クマネズミは、手紙を書いた人を探しに行くことにしました。すっかりきれいに身支度をして手紙を持ち、スキップをしながら。
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2004.12.19

『コッケモーモー!』ジュリエット・ダラス=コンテ/アリソン・バートレット

|| おんどりさんには悪いけど、
|| その鳴き声、笑っちゃう!

コッケモーモー!ある朝のこと。おひさまがのぼると、おんどりは、夜が明けたことを告げるために息を大きく吸いました。ところが……
「コッケ モーモー!」
飛び出したのは、こんな声。
「どうしたの? モーモーは、牛の鳴き声よ」。
そこでおんどりは、また、息を吸いますが、今度は……
「コッケ ガーガー!」
何度やっても、変なのです。
「どうしよう。ぼく、鳴き方を忘れちゃったのかなあ」
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2004.12.04

『よるくまクリスマスのまえのよる』酒井駒子

赤ちゃんを卒業した男の子の、
少し切ない胸の内を細やかに描いた物語。

よるくまクリスマスのまえのよる
よるくまは、ぼくのともだち。夜みたいにくろくって、むねにはお月さまが光ってる。
クリスマスの前の夜、よるくまがぼくの家に遊びにきたんだ。
――ねえ、よるくま、明日は楽しいクリスマスだよ。いい子にはサンタさんが来るんだよ。よるくまはかわいくていい子だから、サンタさん、きっと来るね。
でも、ぼくには来ないかもしれないな。だってぼく、悪い子だから。今日、ママにいっぱい叱られたから……。
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2004.10.18

『だんごむし そらを とぶ』松岡達英

子どもたちが大好きなだんごむしが
空に飛び立つ冒険物語

だんごむしそらをとぶぼく だんごむし。毎日地面の枯れ葉ばかり食べているんだ。だからいつも空を眺めて思うのです。ぼくも空を飛びたいなって…。

羽を持って自由に飛び回る虫たちを見て空を飛ぶことに憧れた1匹のだんごむしが、とんぼの羽を手に入れて、空を飛ぶ。奇想天外なストーリーとちょっぴりシュールな絵が組み合わさった楽しい絵本。
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2004.09.06

『だんごむし うみへいく』松岡達英

凄みすらある細密でシュールな絵。
一見の価値あり!の自然科学絵本

だんごむしうみへいくぼく、だんごむし。本を読んでいて知ったんだ。ぼくたちの仲間は海にたくさん住んでるんだって。ぼくも海に行ってみたいな。――そこで2匹のだんごむしは、カタツムリ親子と一緒にアオギリのさやで作った船に乗り、仲間探しの旅に出た。果たして仲間に会うことができるのだろうか――?
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2004.07.29

『どろんこどろちゃん』いとうひろし

どろんこ遊びの支度をすっかり整えたら、
おもむろにこの本を読みはじめよう。
きっと、どろんこ遊びをせずにはいられなくなるから。

泥の中に二つの目。きょろきょろ辺りを見回して、もっこり頭を出して生まれてきたのは「どろちゃん」。どろちゃんは、だれにでも作ることができるんです。

どろんこ遊びの楽しさがそのまま絵本に写されている。読み終えるとどろんこおふろに飛び込みたくなる、元気あふれる痛快な一冊。
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2004.07.12

『まほうの夏』藤原一枝/はたこうしろう

目を細めるほどまぶしくて懐かしい、
田舎で過ごしたあの夏がここにある

まほうの夏夏休み――お父さんもお母さんも、お仕事だって。学校のプールとゲームと麦茶、それとポテトチップスの毎日に飽きたぼくは、弟と一緒にお母さんのいなかに行くことにした。海辺の町だけど、森もある。虫とり、木登り、海水浴。初めての海釣りではイワシを200匹も釣ったんだ。2学期もここにいたいなあ……。ところがその夜、おとうとが泣き出した。――ぼくたちをまっ黒にした、まほうみたいな夏。
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2004.07.10

『なつのいけ』塩野米松/村上康成

夏がぎっしり詰まった絵本

なつのいけ表紙ソフトクリームみたいな入道雲が真っ青な空に浮かぶ夏。子どもたちは網とバケツを手に池に向かう。池にはさまざまな生き物たちが棲んでいる。メダカにタナゴ、モツゴにコイ。ドジョウやゲンゴロウやタイコウチ。いばりんぼうのアメリカザリガニが食べちゃうぞーっとやって来れば、「いただきはどっちだーっ」と出てくる立派なひげのオオナマズ。池の外には子どもたち。大きな魚をつかまえるぞ!

鮮やかな色彩でまぶしい夏の光景を詩情豊かに切り取った、ある池をめぐる物語。第8回日本絵本大賞受賞作品。
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2004.06.17

『ありがとう ともだち』内田麟太郎/降矢なな

ともだちが釣ってくれたのは、
カジキよりずっと大きなものだった

ありがとうともだち仲良しのキツネが、オオカミの家に初めてお泊まりにやってきました。眠れないというキツネにオオカミが「海はな、それは でっかいものよ。ざっと、もりが1000こ すっぽりと はいるな」と話をしてやると、キツネはもういてもたってもいられません。翌朝2人は海釣りに出発するのです。かつてオオカミが釣ったと話していたクマの10倍もあるでっかいカジキは、はたして本当に釣れるのでしょうか――?
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2004.06.03

『コップちゃん』中川ひろたか/100%ORANGE

赤ちゃんのいろいろな遊びがギュッと詰まった1冊

コップちゃん表紙コップちゃん こんにちは
コップちゃん おなまえは?

身近なモノがキャラクター化した「コップちゃん」が、のびのびと動き回るさまがかわいい。人気イラストレーター 100%ORANGEが描く赤ちゃん絵本。
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2004.05.20

『ゆらゆらばしのうえで』きむらゆういち/はたこうしろう

敵同士が、いつしか不可欠な存在に

ゆらゆらばしのうえで表紙何日も降り続いた雨にいためつけられ、一本の丸太だけになっていた橋に、ウサギとキツネが駆け込んできた。キツネがウサギを食らおうと、追いかけてきたのだ。2匹が丸太に飛び乗った途端、丸太は土手からはずれてヤジロベエのようになってしまった。バランスのとれる所にじっとしていないと、2匹とも激流に落ちてしまう。落ちないためには互いが必要だ。敵同士だった2匹は、いつのまにか互いになくてはならない存在になってしまった――。
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2004.05.16

『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』長谷川義史

読んで息切れ、聞いて爆笑。体力使います!

おじいちゃんの〜表紙ぼく、5さい。ようちえん たんぽぽぐみ。
これが ぼくの おとうさん。そして、これが ぼくの おじいちゃん。
おじいちゃんの おとうさんは どんな人?
おじいちゃんの おじいちゃんは どんな人?
ぼくは ご先祖さまをたどる 旅に出た。
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2004.05.05

『ぶどう畑のアオさん』馬場のぼる

本当の強さってなんだろう

ぶどう畑のアオさん表紙馬のアオさんはある日、夢で見たとおりのおいしそうなぶどう畑を見つけました。みんなに内緒で食べようと言うネコさんに、アオさんは「みんなで食べたほうがずっとおいしいよ」と、集まってきた動物みんなで畑に向かいました。ところが着いてみると、オオカミが畑のまわりにトゲトゲのさくを張りめぐらせ、こわい顔をして通せんぼしていたのです。乱暴者のオオカミにおどかされてみんなは逃げ出しましたが、ただ一人、アオさんだけは逃げないのでした。
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2004.03.10

『あたまにつまった石ころが』キャロル・オーティス・ハースト

ひたむきな情熱が、
いつしか彼を幸福な人生に導いた

あたまにつまった石ころが

切手にコイン、人形やジュースのびんのふた。みなさんも集めたこと、ありませんか?
わたしの父は、石を集めていました。まわりの人はいったそうです。
「あいつは、ポケットにもあたまのなかにも 石ころがつまっているのさ」
「ああ、そうかもしれないな」
父は、ポケットからひとつ、石をとりだしていいました。
「ところで、ほら、ちょっと見てください。いい石を見つけたんですよ」

* * * *

一編のノンフィクション映画を見終わったような、静かで、深い読後感。この本を閉じたとき、そんな感覚がわたしのなかに満ちていました。

「好きなことだけやって暮らして行けたら、どんなに幸せだろう」
人はよく言います。
けれどもそれをしないのは、「好きなことだけをやり続ける」ことが、実はとても根気と覚悟のいることだから。
だから人は、生活することを考えたとき、好きなことをまず最初に手放しがちなのです。

あるいは。
子どものころに情熱を傾けた事柄を、同じようにずっと「おもしろい」と思い続けることができないというのも、好きだったことを手放す理由でしょうか。「それが大人になることさ」とわけ知り顔で語りながら、心はどこかさびしい。好奇心をなくすことが大人になることでは、決してないはずです。

この本は、作者のキャロル・オーティス・ハーストさんが、自身のお父さんのことを書いたノンフィクションです。お父さんは、幼いころから年老いるまでいつも
「あいつは、ポケットにもあたまのなかにも 石ころがつまっているのさ」
と言われ続けた人でした。社会的地位やお金には無欲で、大好きな石について学ぶことにのみどん欲に生きたお父さん。いつもいつも頭の中に石をいっぱいつめこんでいたことが、彼の人生をいつしかとても幸福なものにするのでした。

そう、これは「幸福な人生とはなにか」「学ぶとはどういうことか」について静かに考えさせてくれる本です。絵は少し挿し絵的かな……。むしろ「好きなことを手放してしまった」大人が読みたい本。3歳のうちの息子がじっと聞くには、文章が多いです。

ただ、うちの息子も実は石好き。道ばたでよく石を拾って持ち帰って来るので、いろいろな石が描かれたページがお気に入り。一つひとつの名前をわたしに言わせて、うれしそうにながめていたのでした。

2001年度ボストングローブ・ホーンブック賞ノンフィクション部門オナー賞受賞作品。

▼オススメ度
よん(母)------------> ★★☆
ルンバ(長男/3歳)-> ★☆☆

▼『あたまにつまった石ころが』>>amazon >>bk1
▽キャロル・オーティス ハースト (著)千葉 茂樹 (翻訳)ジェイムズ・スティーブンソン(絵)/光村教育図書(2002/08)

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2004.02.28

『しろくまパパのソフトクリーム』とおやましげとし

世界で一番おいしいもの。
それはやっぱりソフトクリーム♪

しろくまパパのソフトクリームある晩のこと、しろくまパパとしろくまぼうやがテレビを見ていると、ソフトクリームがうつりました。「おいしそうだなあ」。ソフトクリームが忘れられないしろくまパパは、次の日、街にソフトクリームを買いに出かけることにしたのでした。ところが、街に着いたしろくまパパ、自分が何を買いに来たのか忘れてしまい……。

* * * *

「ソフトクリームが食べたい」。その一心で、子どものように無邪気に行動するしろくまパパの様子に、思わず笑みがこぼれます。一応「ぼうやのために」買いに行くのだけれど、その実「ほんとは わたしがたべたい」と言っているところなんて、食いしん坊のわたしとしては、まるで自分みたいだと吹き出してしまいました。

しろくまパパはなんでこんなに無邪気なキャラクターなんだろう?と思ったら、作者のとおやま しげとしさんが以前飼っていた犬がモデルになっているんですね。「ちょっととぼけた所があって、やはりあまくて、つめたいものがだいすき」な犬だったそうです。なるほど納得。

しろくまパパがあまりに楽しそうなので、読んでいるこちらも楽しい気持ちになってしまいます。ソフトクリームが大好きな長男ルンバも、最後にようやくパパがソフトクリームを買えたシーンでは「うわあ〜、おいしそ〜」と目を輝かせて見ています。大好きな食べ物が登場する絵本って、子どもは好きなもの。当然のように、この絵本もルンバのお気に入りとなりました。

絵は、切り絵に色鉛筆などで着彩する手法を用いています(いや、絵の具などで着彩した紙を切り貼りして、色鉛筆で仕上げているのかな?)。ハサミで切ったカクカクッとした輪郭と、貼った紙が重なったかすかな立体感が、独特のかわいらしい味を出しています。ちょっとくすんだ感じのパステルカラーを中心に、赤やオレンジでアクセントづけされたカラフルな画面は、その色彩だけでも見ていて楽しくなります。

ソフトクリーム好きなお子さんを持つ方は、どうぞ見てみてください。

▼オススメ度
よん(母)------------> ★★☆
ルンバ(長男/3歳)-> ★★★

▼『しろくまパパのソフトクリーム』詳細 >>amazon >>bk1
▽とおやま しげとし(遠山繁年)(著)/金の星社(2000/06)

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2004.02.16

『ロンパーちゃんとふうせん』酒井駒子

童謡を口ずさむように読む切ないメルヘン

ロンパーちゃんとふうせん今日、街で風船をもらったロンパーちゃん。おうちに連れて帰ってポーンポーンと遊ぼうとすると、風船はすぐに天井まで浮かんでいってしまいます。そこで母さんがちょっと工夫をしてくれて、ロンパーちゃんと風船は、一緒に遊べるようになりました。けれど――。

* * * *

『よるくま』で一気にファンになってしまった酒井駒子さんの絵本。この人は本当に子どもをよーく見ているんだなあ、としみじみ感じてしまいます。そうでなくちゃ、こんなにかわいく子どもを描くことはできないでしょう。ロンパーちゃんの横顔、後ろ姿のおしりの感じ、泣いているときのしぐさ。どれをとっても愛らしい。

酒井さんの描く「お母さん」も好きです。ふっくらまあるい線で描かれたお母さん。見ているだけで、その腕に抱かれたときの心地よいぬくもりが想像できるようです。

さらにこの作品では、風船までもが愛らしい生き物のように変身します。ごはんを食べたり、ロンパーちゃんと一緒に寝ている姿は、単なる風船には見えません。

物語は、心地よいリズムで刻まれた文章で進んでいきます。気がつくと、自然と童謡を口ずさむように読んでしまうような文章です。そうして不思議な懐かしさに包まれて読み進めていくと、ほんのり切ないラストにたどりつきます。ラストページの絵の美しさには、思わずため息がもれてしまいます。

わたしはすっかり気に入ったものの、男の子のルンバにはどうかなと思いながら読んで聞かせました。予想通り、最初はあまり受けが良くなかったのです。ところが1日おきくらいに「よんで」と持ってくるようになり、それが次第にひんぱんになっていきました。ジワリジワリと心に入っていったようです。風船って子どもにとってすごく魅力的なものですよね。そんな風船がまるで生きているみたいに感じるからでしょうか。それとも、同年代(ちょっと下かな?)のロンパーちゃんが、お友だちのように感じるから? なんだか不思議な1冊なのでした。

▼オススメ度
よん(母)-------> ★★☆
ルンバ(長男)--> ★★☆

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▽酒井駒子(著)/白泉社(2003/03)

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2004.02.10

『きょうりゅうのたまご』なかがわ ちひろ

強くて優しいものが好きな子どもたちに

きょうりゅうのたまごある日、ぼくの部屋に恐竜がやってきた。迷子の卵を探しているんだって。ぼくも一緒に探しに行くことにした。
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2004.02.03

子どもの才能を伸ばす大人のアシスト

こんな記事を見かけました。

子供時代の知的刺激が一流生む (YOMIURI ON-LINE / サイエンス)
一流の研究者を生むのは、スパルタ教育ではなく、親や教師にはぐくまれた知的な好奇心――。

国際的に活躍する研究者に取ったアンケート結果をもとに書かれた記事です。研究者たちは子ども時代に勉強を強制されたことは少なく、のびのびと好きなことをして育ったという回答が約半数。優秀な研究者を育てるには、好奇心を刺激したり、興味を伸ばす教育が大切だという意見が3分の1。
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2004.02.02

けんかのできない子どもたち

「やっぱり子どもはけんかしないとダメですよね。けんかをすることで、痛みがわかる」
先日、知人とこんな話をしました。わが家の長男は3歳、お友だちと一緒に遊べる場面が増えた一方で、物の取り合いなどによるけんかも起こりがちなお年頃。「けんか」というのはいま現在の育児において、わたしが気にしているキーワードの一つです。

でも、いまの子どもはあまりけんかしない。というより、親が子どものけんかを取り上げてしまうことが多いような気がします。頭の中では「子どもはけんかによって人間関係を学んでいくのだから、危険なことがなければ、親が口出しせずに見守るべき」と思っているのですが、いざ子どもたちが目の前でけんかを始めると、相手の親御さんのことがどうしても気になってしまう。波風を立てたくなくて、「けんかしちゃダメだよ」と口を出し、途中で止めてしまう。

子どもの言葉がまだ達者でなかった1〜2歳のころは「腹話術」です。子どもの言葉を親が「代弁」して、波風立てない方向に持っていく。本当は「代弁」でもなんでもないのに。
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2004.01.28

『だいじょうぶかしらねずみくん』五味太郎

ふんだりけったりの、その後は

だいじょうぶかしらねずみくん

ぼんやりと歩いている、ねずみくん。だいじょうぶかしら?
「あっ だいじょうぶじゃない ねずみくん ぶつけられました」…これがねずみくんの受難の1日のはじまりでした。なぜだかねずみくん、とことんツイてません。ゴリラが、へびが、ワシが、馬が、ねずみくんをひいたり、ふみつけたり…。

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2004.01.25

『ママがちいさかったころはね…』ヴァレリー・ラロンド

育児のイライラをやわらげてくれる絵本

ママがちいさかったころはね…「ママがちいさかったころはね…」ママはよくこう言うのです。食事はいつも残さずきれいに食べたし、猫のしっぽを引っ張ったりもしなかった。汚い言葉を使うこともなければ、親を困らせるようないたずらをすることも全然なかった。おねだりなんて、もってのほか。「つまり とっても ものしずかな おんなのこだったのよ」。でも、それって本当なの?
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