2006.02.28

『でんしゃにのって』とよたかずひこ

うららちゃんが乗ったのは、
ちょっぴり変わった電車だったのです。

でんしゃにのって

うららちゃんは一人で電車に乗っておばあちゃんのところへおでかけ。ガタゴトーガタゴトー。目指すは「ここだ」駅です。「つぎは わにだー わにだー」アナウンスが聞こえて電車が停まり、乗り込んできたのは……?

* * * * *

電車が駅に停まるたびアナウンスされる駅名を聞きながら「次に乗り込んでくるのはなにかな?」と想像するのが楽しい、ほのぼの絵本。答えは実に簡単なのですが、その単純さが子どもたちにはいいみたい。電車好き次男のために借りてきたら予想通りはまり、「ガッタンコ、ヨンデー!」と毎日繰り返していました。いろんな動物が次々登場するのもいいんです。

とよたかずひこさんの絵は、筆で描いたような強弱がしっかりついたしなやかな描線とパステルピンクの着彩とがあいまった、ほんわかした印象。やさしい気持ちになれる絵、そしてお話です。

乗り物好きな子に。読み聞かせは2歳前後からどうぞ。

オススメ度
よん(母)------------------> ★★☆
ルンバ(長男/5歳4カ月)-> ★★☆
パルタ(次男/2歳3カ月) -> ★★★

▼『でんしゃにのって』>>amazon | >>bk1
▽ とよたかずひこ(作)/アリス館(1997/06)
▽ かな/36ページ/26cm

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2005.10.12

『かぼちゃスープ』ヘレン・クーパー

時には違うこともしてみたい、
そんな気持ちが仲良し3人組に巻き起こした大騒動

かぼちゃスープ
世界一おいしいかぼちゃスープを作るなかよし3人、ねことりすとあひる。いつも役目は決まってる。ねこが切り分け、りすがかきまぜ、あひるが塩で味つける。スープを飲んだら、演奏会。バグパイプを吹くねこと、バンジョーを弾くりすと、歌をうたう小さいあひる。この家じゃ、けんかなんかは起こらない。役目がちゃんと決まっているから。

ところがある朝、あひるが言った。
「ぼくが スープをかきまぜる」
3人組は大げんか。
ついにあひるは家出しちゃった。かぼちゃスープはどうなるの?

かわいくて、美しい。1999年ケイト・グリーナウェイ賞受賞作品。
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2005.05.09

『かさぶたくん』やぎゅう げんいちろう

|| 読めばあなたも「かさぶた博士」

かさぶたくん
ダメだとわかっていても、目にとまるとついついはがしたくなるのが「かさぶた」。でも、どうして「かさぶた」を取っちゃいけないの? そもそも「かさぶた」って何? 何のためにできるの?

そんな疑問をすっきりと氷解させてくれる、オモシロ科学絵本。
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2005.04.06

『おなべ おなべ にえたかな?』こいで やすこ

|| やめられない、とまらない。とびきりおいしい春のスープ

おなべおなべにえたかな?うららかな春の日、山向こうのおおおばあちゃんの所に遊びに行ったきつねのきっこは、人参スープのお鍋の番を頼まれました。「おなべ おなべ にえたかな?」スープの仕上げをしていたら、味見に夢中になりすぎて、お鍋が空になっちゃった! そこでお鍋が思いついたのは、春の味覚・お豆と春を代表するあの植物をたっぷり使った、とびきりおいしい春のスープだったのです。
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2005.03.02

『てんてんむし』あべ弘士

|| 模様から伝わってくる、虫の言葉を聞いてみよう

てんてんむし
――虫は、体にいろんな模様を持っている。
それは、虫の言葉。
虫は、この言葉を使って、
ずっとずっと昔から、
わたしたちに話しかけてきたんだよ。――

虫が持つ模様の多彩さに驚かずにはいられない。虫の不思議をつくづく感じさせてくれる一冊。
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2005.03.01

『おとうさんはウルトラマン』みやにし たつや

|| すべてのお父さんに読み聞かせてあげたい絵本

おとうさんはウルトラマン

おとうさんは ウルトラマン。
おとうさんは つよい。
おとうさんは とても つよい。
おとうさんは とてつもなく つよい。でも……
めちゃくちゃ よわい あいても いる。

人々のために、地球のために闘ってきたウルトラマンが、お父さんになった。永遠のヒーロー・ウルトラマンが子育てに励むちょっぴり不器用な姿が親近感をさそう。子育て中のすべてのお父さん(…と、お母さん)に、ぜひともおすすめしたい一冊。
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2005.02.28

『おばけパーティ』ジャック・デュケノワ

|| 真夜中に繰り広げられる、おばけたちの楽しいパーティ


古いお城の大広間。おばけのアンリが、友達みんなを晩餐会に招待しました。アンリは趣向を凝らした料理を次々と出してみんなをもてまします。みんながそれを口に運ぶと、あれあれ…? おばけたちの体にとある変化が起きてしまうのでした。

表情豊かなおばけたちがごちそうを楽しむ様子が愛らしい。とっても楽しい一冊。
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2005.01.15

『くもくん』いとう ひろし

|| くもくんは、なんにだってなることができる。でも…

くもくん
ぼくは くも。いろんな形になることができる。
いつも、いろんなものの真似をして遊んでいるんだ。
ある時はライオン。ある時はワニ。ひげづらの大男にだってなれるよ。
だけど、ぼくには、決まった形がない。
ぼくの本当の形って、なんだろう……?
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2005.01.10

『クレリア―えだのうえでおきたできごと』マイケル・グレイニエツ

|| 読み終えると、話と遊びがとめどなくあふれてくる

クレリア―えだのうえでおきたできごとそれは、ある春の夕方のことでした。眠たくなったあおむしのクレリアは自分の体にぴったりの長い枝を見つけ、疲れた体をうーんと伸ばして目を閉じました。するとそこにだれかの声が。
「ここ、きもちよさそうだね。ぼくにも やすませてくれない?」
クレリアは、「いいわよ。にょろ」と言って、少し縮んであげました。
枝には次から次へと虫がやってきます。そのたびに体を縮めて場所をゆずってあげていたクレリアは、ついに――?
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2005.01.05

『そりあそび』さとう わきこ

|| これぞ、ばばばあちゃん流「ほんとの冬のあったまりかた」

そりあそびこどものとも傑作集外は冷たい雪が降っていた。ばばばあちゃんがストーブに当たりながら編み物をしていると、雪だらけのこいぬとこねこが外から飛び込んできた。
「うおーい さむい、しにそうだ。やっぱり うちのなかが あったかくて いいよ」
こいぬとこねこがストーブに当たっていると、次から次へと雪だらけな動物の子どもたちが外から家に飛び込んできて、震えながらストーブに当たりだした。
子どもたちの情けない姿を見て、ばばばあちゃんは言った。

「いい わかいもんが だらしないねえ。さむい さむいばかり いって。
 よし!! いまから、さむいひの とくべつな あったまりかたを おしえてやるよ。
 みんな おいで!!」

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2004.12.28

『ゆき』ユリ・シュルヴィッツ

|| 読み終えると、雪が恋しくなる。

ゆき灰色の空から、ひとひらの雪が舞い降りてきました。
「ゆきが ふってるよ」
犬を連れた男の子が言いました。
「ゆきは ふらないでしょう」ラジオが言いました。
けれども雪は、ラジオを聞きません。
雪はただ、灰色の空から舞い降りるだけ……。
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2004.12.07

『リコちゃんのおうち』さかい こまこ

リコちゃんは、どこで遊べばいいの。

リコちゃんのおうち
リコちゃんが遊んでいると、お兄ちゃんかいじゅうがやって来て、「あっちいけ!」と邪魔をします。リコちゃんがあっちへ行くと、ママまでリコちゃんの邪魔をしたの。
「もうヤダ! リコは リコだけの おうちに ひっこす!」
「じゃあね、ここがリコちゃんの あたらしいおうち」
ママが段ボール箱を取り出して、ハサミで窓を切り抜き、端切れを床に敷くと、あら不思議。リコちゃんのおうちができたのです。
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2004.12.06

『タイニイ・トゥインクルのふしぎなともだち』なぎ ともこ/伊藤正道

ぼくのともだちのサンタはね、
ふしぎな おかしな ともだちを いっぱい いっぱい もってるんだ。

少年タイニイ・トゥインクルのすごい友だち、それはサンタ・クロース。サンタには不思議な友だちがたくさんいる。ウサギやらヘビやらペンギンやらタコ型宇宙人やら……。でもね、その友だちの名前はみんな、サンタ・クロースなんだ! それぞれのサンタが作るクリスマスツリーやケーキが楽しい。広告などでおなじみの伊藤正道さんが贈る、とびきりファンタジックなクリスマス絵本。

#画像はBL出版内の作品紹介ページでご確認ください。
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2004.11.09

『かようびのよる』デヴィッド・ウィーズナー

絵はここまで饒舌になれるのか。
極上エンターテイメントここにあり。

かようびのよる
この出来事はある火曜日に、アメリカのとある街で実際に起こったことです。
もしかすると、これからも火曜日の晩にまた不思議なことが起きるかもしれません――。
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2004.10.26

『かばんうりのガラゴ』島田ゆか

あっちにもこっちにも楽しさが隠れている!

ガラゴは旅するかばんやさん。お客さんが欲しいかばんを、いつでもどこでも出してくれます。今日最初のお客さんは、ぷよぷよの子犬。「ひとりっこだから きょうだいがほしいの」と言います。ガラゴは兄弟は盛っていないので、代わりに犬の形のかばんを取り出しました。かばんの中にはもう一つ犬のかばんが入っています。そのかばんにもまたかばんが……。こうして子犬には3匹のかばんの兄弟ができました。さて、次のお客さんは――?

画面のあちこちで隠しストーリーが同時進行。隅々まで楽しめる島田ゆかワールド!
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2004.10.19

『スースーとネルネル』荒井良二

心地よい眠りにたどりつくまでの幸福なひととき。

スースーとネルネルスースーとネルネルは なかなか ねない こどもたちです
ふたりは ねむく なるまで おはなしをつくって あそびます
「ぼくらは まどのそとを みながら」とスースーが いうと
「じーっと まっていました」とネルネルが つづけます……
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2004.10.12

『ちょろりんととっけー』降矢なな

子どもたちが初めて、自分たちだけで旅に出る。
小さな冒険の物語。

ちょろりんととっけー夏休み。とかげのちょろりんは初めて一人で三本糸杉山のおじさんの家に行くことになりました。じいちゃんが椿の葉っぱに書いてくれた地図を片手に、お弁当を持って出発です。ところが、まだ小さい弟のとっけーが、いつの間にかちょろりんの後についてきていたのです。ちょろりんは仕方なく、とっけーを連れていくことになりました。やがてわかれ道に差しかかり、じいちゃんの地図をちょろりんが見ようとしたその時、とっけーの手がちょろりんの手にぶつかって地図は風に飛ばされ、川に流されてしまいます。ちょろりんはとっけーを突き飛ばし、夢中で地図を追いかけるのですが、今度はとっけーとはぐれてしまい――。
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2004.09.11

『だれだか わかるかい?─むしのかお』今森光彦

こんなに愛嬌たっぷりの虫の顔、
そうそう見られるもんじゃない

だれだかわかるかい?―むしのかおぼくが だれだか わかるかい?
次々に現れる虫の顔。おなじみの虫からちょっとめずらしい虫まで、さまざまな虫の顔をクローズアップ。ページをめくれば全身写真がお目見えする。クイズ形式で楽しめる、虫の写真絵本。
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2004.07.22

『とこちゃんうみへいく』織茂恭子

わたしだって泳げるもん!
小さな子どものフラストレーションを
すっきりさっぱり晴らしてくれる本

とこちゃんうみへいく暑い夏の日。海に行くというお兄ちゃんについていこうとした とこちゃんは、「およげないから だめ」と言われてガッカリ。仕方なくお風呂で水遊びをするけれど、やっぱりつまらない。「あたしも うみで およぎたいよー」。すると、「ぼくも うみで およぎたい!」とお風呂の水が飛びはねた。「うみいへ いこう! うみへ いこう!」お風呂の水はとこちゃんを抱えて走り出す。「でも あたし およげない」「ぼくが いるから だいじょうぶさ」。

海で存分に遊びたい!という小さな子どもの気持ちを、たっぷりと満たしてくれる一冊。
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2004.07.14

『おっきょちゃんとかっぱ』長谷川摂子/降矢奈々

幻想的にゆらめく水底で行なわれる
河童の祭りに女の子がまぎれこむ。
目に耳に心地よい、懐かしい香りのする絵本。

おっきょちゃんとかっぱ表紙あるところに、おっきょちゃんという小さな女の子がいた。ある日おっきょちゃんの前に、赤い顔をした奇妙な子どもが現れた。かっぱの子だ。「おいら、ガータロ。おまつりなのに だれも あそびにこんから、おまえ、おきゃくさんになれや」「うん、いく」。ガータロとともに水底へ向かったおっきょちゃんは、水の外のことを全部忘れてかっぱの子として暮らすが、やがてお母さんのことを思い出し――。
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2004.07.13

『月夜のじどうしゃ』渡辺茂男/井上洋介

一人ぼっちのじいさんとたぬきの親子との交流が、
月夜の浜辺に流れるハーモニカの音色のように、
わたしたちの心をあたたかくする。

月夜のじどうしゃじいさんは、海を見下ろす崖の下にある車の墓場で一人暮らしをしている。昼間は車の墓場で仕事をし、夜になると月の光る浜辺でハーモニカを吹いた後、波打ち際の流木やごみを拾う。十五夜にじいさんが小屋の戸口に腰かけてハーモニカを吹いていると、暗がりからたぬきの親子が出てきた。丸い目玉を見開いてこちらを見ているその姿があんまりかわいいもんだから、じいさんは声をかけた。――じいさんとたぬきの親子はいつしか、月夜の晩にはご飯を一緒に食べるようになった。
第25回(1994年度)講談社出版文化賞絵本賞受賞作品。
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2004.06.27

『アマガエルとくらす』山内祥子/片山健

小さな生き物にも心はあると教えてくれる

アマガエルとくらす「おや、こんなところにカエルが」。5月のある日、流しの中に一匹のアマガエルがやってきました。なにが気に入ったのかカエルはそこにいつき、秋になるといつの間にか姿を消しました。驚くことに翌年も、さらにその翌年にも、5月になると同じカエルが流しを訪ねてきたのです。家族の一員のようにアマガエルと暮らした14年以上もの日々を綴った一冊。
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2004.06.25

『バムとケロのにちようび』島田ゆか

すてきな雨の日の過ごし方

バムとケロのにちようびこんな雨の日曜日は、サッカーも砂遊びもできない。しかたないから今日はうちで本を読もう。そう思ってお部屋をピカピカにそうじしたバムのもとに帰ってきたのは、どろんこびちゃびちゃのケロちゃん! 部屋中をどろんこにして駆け回るケロちゃんをつかまえてお風呂に入れて、なにもかもきれいにしたら、読書に備えておいしいおやつを作ろう。それから肝心の読む本を、屋根裏部屋から取ってこなくっちゃね。――バムとケロの2人組が教えてくれる、雨の日の楽しい過ごし方。
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2004.03.19

『うそつきのつき』内田麟太郎/荒井良二

めくるめく駄洒落の世界

うそつきのつきこのおじさんは わらいません。ニワトリが二わ トリをかっていても。
このおじさんは わらいません。なにがあっても。
それはなぜって……?
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2004.03.13

『タンゲくん』片山健

猫ってヤツは、だから可愛い

タンゲくん表紙
ある日、「わたし」たちが晩ご飯を食べていると、一匹の見たこともない猫がのっそりと入ってきました。片方の目がけがでつぶれているけど、とても立派な風貌。猫はお父さんに「タンゲくん」と名付けられ、うちの猫になりました。
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2004.03.06

『お月さまってどんなあじ?』ミヒャエル・グレイニェク

まあるいお月さまが、三日月になったわけ?!

お月さまってどんなあじ表紙お月さまってどんなあじなんだろう。ほんのひとくち、たべてみたいね。どうぶつたちは、よる、お月さまをみながら、いつもそうおもっていました。ある日、ちいさなカメが決心しました。いちばんたかいあの山にのぼって、お月さまをかじってみよう。
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夜空に青白く光るまあるいお月さま。それを、動物たちは「おいしそう」と思い、一生懸命手を伸ばします。カメ、ゾウ、キリン、しまうま、ライオン、キツネ、サル、ネズミ……。次々と登場する動物たちが手を伸ばすたびにひょいっと逃げていたお月さまは、ネズミの小ささに油断して、ついにかじられてしまいます。

お月さまを「おいしそう」と思う感覚。子どものころ、青空に浮かぶ白い雲がとってもおいしそうで、どんなに極上の綿菓子のような味がするんだろうと想像して楽しんだことを思い出しました。自然のものって、なぜだかすごくおいしそうに見えたりするんですよね。存在自体が神秘的だからでしょうか。雪にかき氷のシロップをかけて食べたり、軒にぶら下がったつららをポキンと折ってアイスキャンディーのようになめた時の、あの幸福感。

言われてみればお月さま、なるほど確かにおいしそう。この絵本と出合ってから、夜空にお月さまを見つけるたび、わたしたち親子はその味について話し合うのです。そうしてわたしは、息子がため息まじりに「ルンバくんもたべてみたいな…」とつぶやく、そのかわいらしい姿を楽しみます。

起伏のある紙に水彩で描かれた、やさしい絵。紙のざらつきが、お月さまの表面のでこぼこや地面のぬくもり、岩のような山の肌合いを表すのに一役買っています(追記:紙ではなく、どうやらこの絵は漆喰に描かれたもののようです)。次々と登場する動物たちの姿を見ながら、わたしたちも彼らと一緒になって、月に手を伸ばします。つま先と指先にうんと力を入れながら、「がんばれ〜」と動物たちを応援せずにはいられません。

ついにお月さまをかじった、ネズミのうれしそうな顔と、「やられた」というお月さまの顔に、思わず「やったー」と叫びたくなります。そして、夢がかない満ち足りた表情で動物たちが仲良く並んで眠る姿に、ほんわりあたたかい気持ちになって最後のページをめくると、そこにはオチがひとつ。ただしここのオチ、ルンバにはまだ理解できないので、わが家では飛ばされがちなのですが。

ルンバの絵本の楽しみ方の一つに、「劇ごっこ」=「絵本の内容を演じる」がありますが、この絵本はそれに見事にはまったよう。暗くなった保育園からの帰り道、月を見上げながら2人でこの絵本を演じて帰る日々が続くのです。

▼オススメ度
よん(母)------------> ★★☆
ルンバ(長男/3歳)-> ★★★

▼『お月さまってどんなあじ?』>>amazon >>bk1
▽ミヒャエル・グレイニェク(作)泉千穂子(訳)/セーラー出版 (1995/09)

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2004.03.04

『にじいろのさかな』マーカス・フィスター

大切なものをわかち合う幸せ、だけど…

にじいろのさかな   世界の絵本虹のようにさまざまな色合いの青と緑と紫のうろこ、そのなかにきらきら輝く銀のうろこを持つ、世界で一番美しい魚・にじうおは、海中で一番さびしいひとりぼっちの魚。「ぼくは こんなに きれいなのに、どうして だれにも すきになって もらえないんだ?」。ある日、にじうおは、悩みをヒトデにうち明けた。
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キラキラと銀色に輝く特殊印刷が施された美しいにじうおが、書店に並ぶこの絵本を目立たせていました。手に取って中を読みはしなかったものの、その印象は発売から9年近く経ついまでも鮮明に覚えています。

今回はじめて中を読みました。特殊印刷ばかりに目が行っていたわたしは、しかけ絵本みたいなものをイメージしていたのですが、実際はまるで違う、友だちをテーマにした絵本でした。

にじうおは、自分の美しいうろこが自慢でした。自慢に思うあまり、美しいことがまるで偉いことであるかのように思ってしまったのですね。だからほかの魚に対しても、「いったい だれさまの つもりなんだ?」と高慢な態度を取ってしまったのです。気がつけば、彼はひとりぼっちでした。

けれどなにより大切にしていた銀色のうろこをほかの魚たちに分けてやることで、にじうおは心を開いていったのでしょう。そして、宝物を一人で持っているよりも、みんなとわかち合うほうが楽しいということに気がついたのです。なにより、美しいうろこを持つことよりも、友だちがいることのほうが幸せと気づいたことが、彼を変えたのでした。

友情や愛を扱う絵本は好きですが、この本はちょっと教訓が前面に出すぎかも…という感じも。教訓が前面に出すぎた本は、わたしはあまり好きではないので(子どもに読むことを考えた場合、あまり力まずに読みたいのだけれど、教訓が立ち過ぎるとお話として楽しめなくなることがある)、そこが少しひっかかります。それまでにじうおを仲間はずれにしていたほかの魚たちが、美しいうろこをもらった途端、にじうおと友達になるというあたりは、かなりひっかかります。このあたりの感じ方は個人差でしょうね。

けれど、絵は文句なしに美しいです。ページをめくっているだけで幸せな気分になれます。長男ルンバもお話はいまいち理解しきれず、きちんと聞かずに次のページに進んでしまったりしますが、にじうおのうろこには惹かれるようで、それが見たくてこの絵本を持って来ます。長男はまだ3歳なので、もう少し長い目で見ないと、この本の内容までは理解できないかな。しばらくしたら、また見せてあげようと思います。

坂川栄治さんの装丁(代表作は『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『スプートニクの恋人』『ソフィーの世界』など)も素敵ですよ。

▼オススメ度
よん(母)------------> ★☆☆
ルンバ(長男/3歳)-> ★☆☆

▼『にじいろのさかな』詳細>>amazon >>bk1
▽マーカス・フィスター(作)・谷川俊太郎(訳)/講談社(1995/11)
▼原著はこちら→The Rainbow Fish

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2004.03.01

『キャベツくんのにちようび』長新太

今日は日曜日。キャベツくんとブタヤマさんが一緒にいると、誰かの手が出て「いらっしゃい いらっしゃい おいしいものが ありますよー」と言いました。手がクイックイッと動いています。2人がそちらを見ると、出て来たのは――?

* * * *

『キャベツくん』シリーズの一作。相変わらずのナンセンス・ワールド炸裂! 心を解放して、なーんにも考えずに読んで、ゲラゲラ笑えます。いやー、面白かった!!

この作品の見どころは画面を埋め尽くす細かい描きこみです。長さんは筆で描いていると思いますが、「よく描いたなあ」という感じ。もう、その描きこみを見ているだけで笑いがこみあげてきます。

長男ルンバには、くり返し登場する「いらっしゃい いらっしゃい おいしいものが ありますよー」のセリフとクイックイッという手の動きがツボだったようで、よく真似して遊んでいます。

次はなにが起こるのだろうとワクワクしながらページをめくるたび、思いがけない展開がくり広げられるのがたまりません。とにかく気分を晴らしたい時、ぜひぜひこれを読んでください!

それにしてもブタヤマさん、キミは最初、キャベツくんを食べようとしちゃうのに、最後にはいつもキャベツくんの世話になりっぱなしだねぇ。そのダメキャラぶりが愛しいよ。

▼オススメ度
よん(母)------------> ★★☆
ルンバ(長男/3歳)-> ★★☆

▼『キャベツくんのにちようび』詳細 >>amazon >>bk1
▽長新太(作)/文研出版(1992/05)

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2004.02.06

『バムとケロのさむいあさ』島田ゆか

ケロちゃんはイタズラの天才だ

バムとケロのさむいあさ

きょうは とてもさむいひ こんなひには うらのいけも きっと こおっているはず
バムとケロの二人は朝食を済ませ、早速池に出かけます。するとそこには、あひるの「かいちゃん」が池と一緒に凍りついていたのでした。家に連れて帰ったかいちゃんを、ケロはすっかり気に入って――。 -----

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2004.01.29

『森の絵本』長田弘/荒井良二

だいじなものは、なんですか?

森の絵本本当に大切なものは、ごく身近な生活のなか、自然のなかにたくさんちりばめられている。あわただしい日常にまぎれて忘れてしまっているだけ。ゆたかな時間を静かに過ごす森の奥に分け入るように、自分の心の奥底に眠って見えなくなっている大事なものを一緒に探してくれるような絵本。
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2004.01.27

『よこながきしゃぽっぽ』リチャード・スキャーリー

長さ3mもの電車がたたまれた絵本

よこながきしゃぽっぽゴリラのバナナンの大切なバナナ、貨物列車に積み込んであるはずなのに、どこにあるのかわかりません。あちこちドアや窓を開けてみるけど、出てくるのはゾウさんだったりワニさんだったり。一体どこにあるんだろう? 一緒に探してくれないかな。
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2004.01.21

『よるくま』酒井駒子

かわいいくまの子がやってきた

よるくまある夜、ぼくのおうちにとってもかわいいくまの子がやってきたんだ。名前は「よるくま」。おかあさんがいないって泣くから、ぼくも一緒にさがしに出かけたんだけど、なかなか見つからない。「おかあさんは? おかあさんは?」って泣くよるくまの涙で、あたりが真っ暗になったその時、ながれぼしが飛んできて──。
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