2006.03.02

『べろべろばあ』さとうわきこ

ねずみとねこが繰り広げる、
おかしなおかしな化かし合い。

べろべろばあ

「べろべろ ばあ!」
「ギャウーおばけだ」
ねずみとねこが、ユーモアたっぷりのあの手この手で相手をおどかそうとします。次は一体どんなおばけが出てくるのかな? ばばばあちゃんシリーズでおなじみ さとうわきこさんの絵本。

構成はいたってシンプル。ねずみとねこが交替でおばけに扮しておどかしあいっこを繰り返します。なんとか相手をぎゃふんと言わせたくて、次々新しい方法を考えては登場する2匹ですが、ねずみのほうがどうやら一枚上手の様子。ねこはねずみのアイデアを真似るばかりだから、ねずみはあんまり怖がらない。それどころか、おばけになって登場したねこに対し、いたずらを仕掛け始めるのです――。

* * * * *

長男も次男も一読して大好きになった絵本です。なにせ、ねずみのアイデアが素晴らしい。新しいおばけが登場するたび、「今度はどうやってるんだろう?」と想像し、種明かしの後、なお楽しい。子どもたちも一緒になって「べろべろばあ!」「きゃーこわいー」と大騒ぎしながら読んでいます。

0〜2歳の赤ちゃんを想定して作られた絵本という感じなので、2歳の次男のハマりようはとりわけすごい。「ネコチャンノオバケ、ヨンデー」と言いながら毎晩持ってきて、一度読み始めると何度も「ヨンデ」を繰り返します。時には自分でぱらぱらページをめくり、「ベロベロバー」「コワクナイヨー」と読んでいることも。わたしが読み始めると、「ウワー、コアイネー」「キャハハ!」と実にいいリアクション。読んであげていてうれしくなっちゃうほどです。

一方5歳の長男も、読み終えた直後から「これ、おもしろいね!」。彼は文字中心の長い絵童話もよく聞くけれど、こういう赤ちゃん絵本も大好きなんですよね、今でも。そんな長男の姿を見て、赤ちゃん絵本の奥深さをしみじみ感じる今日このごろです。

ばばばあちゃんでわが家にはおなじみだったさとうわきこさんですが、モノクロの絵は初めて見ました。この絵本はモノクロの鉛筆にクリーム色で着彩した2色印刷。カラーとはずいぶん印象が違うものですね。表情豊かでユーモラスな登場人物の動きはカラーの時そのままに、ちょっと落ち着いた印象の画面になっています。

読み聞かせは1歳前後からどうぞ。
こずえ1977年刊の再刊です。

オススメ度
よん(母)------------------> ★★★
ルンバ(長男/5歳5カ月)-> ★★★
パルタ(次男/2歳4カ月) -> ★★★

▼『べろべろばあ』>>amazon | >>bk1
▽さとうわきこ(作・絵)/フレーベル館(2001/04)/印刷:凸版印刷
▽かな/32ページ/18×18cm

▽さとう わきこプロフィール:東京生まれ。日本児童出版美術家連盟会員。絵本『とりかえっこ』にて第1回絵本にっぽん賞受賞。作品に“ばばばあちゃんのおはなし”シリーズ、『せんたくかあちゃん』など多数。諏訪湖畔と八ヶ岳で「小さな絵本美術館」を主宰。

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2006.02.27

『はけたよはけたよ』神沢利子/西巻茅子

自分でできるって、うれしいね!

はけたよはけたよ

たつくんはね、ひとりでパンツがはけないんだよ。だって、ふらふらするんだもん。「パンツなんかはかないや」おしり丸出しのまま たつくんが外にかけだすと、いろんな動物たちがやってきて、たつくんのしっぽのないおしりをじろじろ見て笑うんだ…。

* * * * *

初めて自分でパンツがはけたときのうれしさ、誇らしさを描いた絵本。「じぶんで!」の言葉が出てくる時期は、ちょうど「いや!」の言葉が増える時期でもあります。「パンツなんかはかない!」とたつくんみたいにおしり丸出しで逃げ出しちゃう子どもたち、これを読んだら「パンツをはいたおしりって、かっこいい!」と思えるかもしれないし、たつくんの真似をしてみたら意外に簡単にはけるかもしれないですね。

さて、わが家の次男もそろそろ着替えの時「じぶんで!」の言葉が出てきたので、この本を読んでみました。でも、あれれ? 次男も眺めていたけれど、今回はどちらかというと長男のほうが大喜びで聞いています。保育園で読んでもらったことがあるらしく、「わらわれちゃうんだよね!」などと次の展開はわかっていたようだけれど、わかっていても面白い!という感じ。次男のツボにはまるのは、もしかするともう少し後なのかもしれません。

クレヨンと水彩でのびのびと描き上げた感じの絵は表情も仕草も愛らしく、まるで子どもが描いた絵のようで親しみやすい。ピンクの描線に黄色や水色を着彩する明るく可愛い色の組み合わせも西巻さんの絵の特徴です。

読み聞かせは2歳ごろからどうぞ。

オススメ度
よん(母)------------------> ★★☆
ルンバ(長男/5歳4カ月)-> ★★☆
パルタ(次男/2歳3カ月) -> ★☆☆

▼『はけたよはけたよ』>>amazon | >>bk1
▽ 神沢利子(文) 西巻茅子(絵)/偕成社(1970/12)/印刷:精興社/製本:難波製本
▽ かな/32ページ/26cm

▽神沢利子(かんざわ としこ)プロフィール:福岡県生まれ。文化学院文学部卒業。詩人・児童文学者。少女時代を樺太(現サハリン)で過ごし、そこで知った星空のあこがれは代表作『ちびっこカムのぼうけん』に結晶した。以後、絵本、童謡、童話の世界に、すぐれた作品を数多く発表している。

▽西巻茅子(にしまき かやこ)プロフィール:東京生まれ。東京芸術大学工芸科卒業。在学中よりリトグラフにとりくみ、1966年日本版画協会展に初出品で新人賞、67年同展で奨励賞を受賞した。絵本画家としても、のびのびした線と明るい色調で『わたしのワンピース』ほか多くの作品を発表している。

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2005.09.24

『きょうりゅうたち』ペギー・パリッシュ/アーノルド・ローベル

|| この地球上にただ一度、
|| 恐竜たちの世界があったのです。

約45億年前に地球が誕生するところから、この絵本は始まります。地球に生物が生まれ、やがて恐竜が姿を見せるようになるまでに、43億年もの年月を要したこと。恐竜たちが陸地に棲み始めたころの地球の様子。そして実際に、どのような恐竜が存在したのか。見開きごとに片ページを文章、もう片方に絵というスタイルをとりながら恐竜を解説し、やがて彼らが死に絶えるまでを追った絵本。

※書影はこちらでご確認ください。
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2005.06.11

『11ぴきのねことぶた』馬場のぼる

気ままなねこたちが心地いい

11ぴきのねことぶた
ドライブをしていた11ぴきのねこは、古い空き家を見つけました。天井にはクモの巣が張り、ほこりだらけの家でしたが、掃除をしてみるとなかなか素敵な部屋。すっかり気に入ったねこたちは、そこに住むことにしました。ところがそこへ、1匹のブタがやってきたのです。
「このへんに、ぼくのおじさんのいえがあるんだが、こちらですかな」
あわててブタを追い出す11ぴきのねこたち。でも――。
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2005.05.06

『ティッチ』パット・ハッチンス

|| コンプレックスよ飛んでいけ!

オンライン書店ビーケーワン:ティッチ
ティッチは、小さな男の子でした。
姉さんのメアリは、ティッチよりちょっと大きくて、兄さんのピートは、ずっと大きな子でした。

ピートとメアリは、いつも大きくて立派なものを持っていました。例えば、自転車。例えば、凧。例えば、楽器。けれどもティッチが持っているのは、ちっぽけなものばかり。ティッチは兄さんと姉さんがうらやましくて仕方がありません。ところが、ある日――。
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2005.04.10

『やっぱりおおかみ』佐々木マキ

|| 愉快な人生を送るコツ

やっぱりおおかみ

 おおかみは もう いないと
みんな おもっていますが
ほんとうは いっぴきだけ
いきのこって いたのです。
こどもの おおかみでした。
ひとりぽっちの おおかみは
なかまを さがして
まいにち うろついています。

どこかに だれか いないかな


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2005.03.11

『はせがわくんきらいや』長谷川集平

|| ちょっと変わった友達が、ぼくにはいる。

はせがわくんきらいや
ぼく、長谷川くん、きらいや。
何しても下手やし、すぐにへなへなへたってしまう。
長谷川くんといたら、おもろない。
長谷川くんと一緒におったら、しんどうてかなわんわ。
長谷川くん、だいじょうぶか。長谷川くん。

――砂糖菓子のように甘くも美しくもない。ひたすら武骨だけれど、まぎれもない優しさが、そこにはある。
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2005.03.07

『ごろごろ にゃーん』長新太

|| 飛行機は、猫を乗せて、飛んでいきます


海の上を、トビウオのような形の飛行機が飛んで行きます。
乗っているのは、たくさんの猫たち。
飛行機はごろごろ、猫たちはにゃーんにゃーん鳴いています。
だから「ごろごろ にゃーん」。

ごろごろ にゃーん ごろごろ にゃーんと、ひこうきは とんでいきます

クジラに追われてもUFOと遭遇しても犬に噛みつかれても、飛行機はただひたすら飛び続けるのです……。
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2005.02.14

『はじめてのおつかい』筒井頼子/林明子

|| 5歳の女の子が初めて一人で買い物に出かける。
|| ドキドキがいっぱい詰まった、小さな小さな冒険譚

はじめてのおつかいある日、ママが言いました。
「みいちゃん、一人でおつかいできるかしら。赤ちゃんの牛乳が欲しいんだけど、ママちょっと忙しいの」
「うん! みいちゃん、もう いつつだもん」
みいちゃんは、ママに百円玉を二つもらって、手にしっかり握りしめ、牛乳を買うためにうちを出ました。目指すは近くの坂のてっぺんのお店です。無事に買い物をしてこられるかな……?
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2005.02.11

『スノーマン』レイモンド・ブリッグズ

|| 少年とスノーマンが過ごす
|| ファンタジックな一夜の冒険と――、別れの物語。

スノーマン
雪が降りました。
少年は外に飛び出し、大きなスノーマン(雪だるま)を作りました。ミカンで鼻をつくり、炭で目玉とボタンをつけ、帽子をかぶせ、マフラーを巻いて…雪の紳士のできあがり。

その夜、ふと目を覚ました少年は、スノーマンがどうしているのか気になって外に出ます。するとスノーマンがくるりと振り向き、少年のもとに歩み寄ってくるではありませんか。少年はスノーマンを家に招き入れ、2人きりの楽しい晩餐を開きます。

ごちそうのお礼にスノーマンが連れて行ってくれたのは、しんしん雪が降り積もる街の夜空を飛んでいく旅でした――。
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2005.01.11

『てぶくろをかいに』新美南吉/わかやまけん

|| きつねの坊やはたった一人で、人間のぼうし屋さんに
|| てぶくろを買いに行くことになったのです。

てぶくろをかいにある朝、子どものきつねがほら穴から出てみると、外は一面の雪景色でした。生まれて初めて見る雪が珍しくて、子どものきつねは遊びに行きました。まもなくほら穴へ帰ってみると、子ぎつねのお手てはすっかりぼたん色。
「おかあちゃん、おててが つめたい。おててが ちんちんする。」
かわいい坊やの手にしもやけができてはかわいそうだと思った母さんぎつねは、夜になったら町まで行って、坊やのお手てにあうような毛糸の手袋を買ってやろうと思いました。
夜になり早速出かけた2匹でしたが、母さんぎつねは町の灯を見た途端に足がすくんで動けなくなってしまいます。母さんぎつねはかつて、町へお友だちと出かけて行って、とんだ目に遭ったことがあったのです。その時の恐ろしい記憶が蘇ってきてどうしても進めなくなってしまった母さんは、しかたがないので坊やだけを一人で町まで行かせることにしたのでした。坊やの片手を、人間の子どもの手に変えて――。
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2004.12.27

『フランシスのいえで』ラッセル・ホーバン/リリアン・ホーバン

|| 下の子を迎えるお兄ちゃんお姉ちゃん。
|| お父さんとお母さんは、あなたのことをとても愛していますよ。

あなぐまのフランシスに妹が生まれました。お母さんは赤ちゃんのお世話にかかりっきり。フランシスは両親の気を引きたくて歌を歌ったり、小石を空き缶に入れてガンガン振って歩いたり、眠るとなればお父さんとお母さんにあらゆるおもちゃを持って来てくれるよう頼みます。けれどもある朝、学校に着ていこうと思っていたお気に入りの服を、赤ちゃんのお世話に忙しいお母さんがまだ洗っていないと知り、フランシスは家出することに決めました。行き先は食堂のテーブルの下。

「じゃ,あたし,これから いえでします。さようなら。いってまいります。」

※表紙画像は好学社のサイトでご確認ください。
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2004.12.12

『クリスマスがせめてくる』小野かおる

「ようし、クリスマスをやっつけてやる」
子ぐまたちは、もみの木がクリスマスにさらわれたと思ったのです。

くまの子どもの ぷうた と ぷうま は、クリスマスを知りません。だってくまたちは寒い冬の間、あたたかな家の中で春が訪れるまでぐっすり眠るのですから。
けれどもある日、ぷうた と ぷうま は外のがやがやいう声で目を覚ましました。大勢の人が忙しそうに歩き回ったり、地面を掘ったりするような音が聞こえます。
「クリスマスがやってくる
 サンタクロースがもうすぐくる」
ぷうた と ぷうま は、顔を見合わせました。
クリスマスってなんだろう。サンタクロースってなんだろう――?
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2004.10.16

『おつきさん どうしたの』E.M.プレストン/B.クーニー

いいこは いいこ、わるいこは わるいこ
母さんの言うこと聞かないと、こわい目に遭うんです

子どもたちを寝かせたガチョウの母さん、「いい子にしててね、ベッドから出ないで」と言い残してお隣のめんどりさんの所に行きました。いいこはいいこ、わるいこはわるいこ。ちびさんが1羽ベッドから飛び出して、床を通ってドアの外、、丘を下りて池のほうへ。水遊びをしながらお空の月を眺めていたら、きつねの形をした雲がお月さんに忍び寄ってた。
「きつねがお月さんを飲んじゃった、お百姓さんに知らせなくちゃ」
お百姓さんを起こして空を見上げてみれば、お月さんは素知らぬ顔で浮かんでた。ちびさんはとぼとぼ池に戻ります。すると今度は本物のきつねがちびさんに忍び寄り――。

子どもの目を通して見た月夜がよく描かれている絵本。
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2004.10.14

『きょうはなんのひ?』瀬田貞二/林明子

ある日まみこは、
謎の手紙を残して学校に行ったのです。

きょうはなんのひ?朝、まみこは玄関を出るとき、「おかあさん、きょうは なんのひだか、しってるの? しーらないの、しらないの、しらなきゃ かいだん 三だんめ」と、歌を歌って、スキップをしながら、学校へ行ってしまいました。お母さんがさっそく階段に行ってみると、その三段目に赤いひもを結んだ手紙を見つけました。そこには「ケーキのはこをごらんなさい」と、まみこの字で書いてありました。それは、まみこからのプレゼントを見つけるための、謎かけの手紙だったのです――。
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2004.09.25

『ぞうのさんすう』ヘルメ・ハイネ

ぞうは、しあわせでした。

ぞうのさんすうぞうは やっと わかりました。
50年のあいだに ぞうは いのちのはんぶんを つかいました。
はじめの50年は うんちは まいとし ひとつずつ ふえていきました。
これからの50年は うんちは まいとし ひとつずつ へっていきます。
もし そうなら、さいごは はじめと おなじになります。

* * * *

ぞうは しあわせでした。
100年 いきてみて、やっと ゼロというものが わかりました。
もう かんがえることは なにも ありませんでした。
* * * *

生きるということ。年齢を重ねるということ。死ということ。
しみじみと深くそれらを考えさせる内容でありながら、子どもも笑って楽しめる懐の深い秀作。
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2004.09.10

『おしいれのぼうけん』古田足日/田畑精一

男の子2人が繰り広げる冒険は、
とってもこわくて、おもしろい。
子どもとの接し方について、おとなも考えさせられる本

おしいれのぼうけんお昼寝の時間だというのにミニカーの取り合いをしていた あきらとさとしは、保育園の担任・水野先生におしいれに入れられてしまいます。真っ暗なおしいれの中で2人が見たのは、恐ろしい ねずみばあさんの姿。何千匹ものねずみをしたがえて2人を捕らえようとするばあさんから、2人は無事に逃げることができるのでしょうか――?
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2004.08.25

『ぶたぶたくんのおかいもの』土方久功

正直言って、ぶたぶたくんは可愛くない。……が。

ある日、ぶたぶたくんはお母さんに一人でお買い物に行くよう頼まれました。
「ぼく ひとりで いけるよね。なんども おかあさんと いって しってるものね」
お買い物ができたら、お菓子屋さんに寄って好きな物を買っていいと言われ、ぶたぶたくんは大喜び。お母さんはぶたぶたくんの首に黄色いリボンを結んでくれました。お買い物かごを持って、さあ出発です。
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2004.07.22

『ぐりとぐらのかいすいよく』なかがわりえこ/やまわきゆりこ

うみぼうずに出会う冒険物語と
海水浴の楽しさがつまった、ぜいたくな一冊

ぐりとぐらのかいすいよくのねずみのぐりとぐらが波打ち際で遊んでいると、沖からとうもろこしの皮をおなかに巻いた瓶が流れつきました。中に入っていたのは、手紙と地図とうきぶくろ。「しんせつなともだちへ しんじゅとうだいへきてください。うみぼうずより」。「しんせつな ともだちって、ぼくたちのこと?」ぐりとぐらは早速うきぶくろをふくらませ、真珠灯台を目指すのでした。
♪うみは はじめて ぐりと ぐら
なみに ゆられて だいぼうけん……♪
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2004.07.21

『だいちゃんとうみ』太田大八

夏の海で過ごした後の
心地よいけだるさを感じさせてくれる本

だいちゃんとうみだいちゃんは、夏休みにいとこのこうちゃんの家に遊びにきました。こうちゃんの家は長崎の漁村です。二人は朝ご飯もそこそこに済ませて川エビをすくいに小川に行き、それを持って海釣りに出発しました。船の中の生け簀は、たちまち釣った魚でいっぱいになりました。採れたての魚や貝を砂浜で料理してみんなで食べた後は、海辺で遊びました。

――こんな風に過ごしてみたい、にっぽんの夏の一日。
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2004.07.17

『こぐまちゃんのみずあそび』わかやまけん

思いつきで次々広がる子どもの遊び

こぐまちゃんのみずあそび表紙花に水をあげるのは、こぐまちゃんの仕事です。じょうろで水をまいていた こぐまちゃん、やがて花だけでなく金魚やアリにまで水をかけ始めます。すると しろくまちゃんがホースを持ってきて、水のかけあいっこに――。とうとう川までできてしまいました。シンプルな絵柄と構図、あざやかな色づかいで、水遊びの楽しさを描いた一冊。
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2004.06.25

『あめこんこん』松谷みよ子/中谷千代子

こんなにも雨は楽しい

復刻版ちいさいモモちゃん〈3〉あめこんこん表紙モモちゃんが、いい ものを かってもらいました。真っ赤な傘に、真っ赤なながぐつ。うれしくてたまらないモモちゃんは、お天気だったけど傘をさし、ながぐつをはいて歌いながらお庭に出ました。そうしたら、だれかが変な声で「入れて」って言うのです。がまがえる、かたつむり、ついにはあの子まで……! 復刻版ちいさいモモちゃんシリーズの第3作目。
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2004.06.06

『昆虫―ちいさな なかまたち―』得田之久

発見の喜びと驚きと、静かな感動と……

昆虫 表紙昆虫たちは、どのようなものを食べて暮らし、幼虫から成虫へと姿を変えていくのだろう。どのように次の命を育み、子どもを育てていくのだろう――? 草原や林にそっと入り、昆虫たちのくりひろげるさまざまな生活を、そっと見てみよう。
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2004.05.24

『バーバパパのいえさがし』アネット・チゾン/タラス・テイラー

おばけのバーバファミリーにぴったりの住まいとは?

バーバパパのいえさがしからだの形を自由に変えられる不思議な生き物・バーバパパは、ママと7人の子どもたちとみんなで、パパがそれまで一人で暮らしていた家に住むことになりました。でも、ちょっとせまそう……。案の定、家族みんなが無理矢理入ると、家はバラバラに壊れてしまったのです。そこでファミリーはとある素敵な空き家に住むことにするのですが、10階建てのマンションを建てるからとせっかくの家を取り壊されてしまいます。マンション暮らしが好きになれないバーバパパたちは、とうとう出て行くことにするのでした。
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2004.05.23

『きんぎょがにげた』五味太郎

赤ちゃんから楽しめる絵探し絵本

きんぎょが にげた表紙金魚鉢から飛び出した1匹の金魚が、あるときはカーテンの水玉模様、あるときは植木鉢の花、あるときはキャンディー……と、思いがけないものに紛れて次々とかくれんぼ。「こんどは どこ。」の問いかけに答えるのが楽しい、絵探し絵本。親子から大人気の、あまりにも有名な赤ちゃん絵本の1冊。
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2004.05.22

『くだもの』平山和子

おいしくいただける絵本です

くだもの表紙すいか、もも、ぶどう、りんご……。
まるで本物のように、つややかでおいしそうな果物が次々に登場します。
「おすすめの赤ちゃん絵本」として紹介されることの多い1冊。
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2004.05.19

『おなら』長新太

おならの不思議が全部わかる

おなら表紙ぞうのおならは大きいぞ。
あぶくがぶくぶく。
人もおならが出る。

おならとは何か? なんでおならが出るんだろう?
そんな疑問を長新太がおもしろおかしく解き明かす。
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2004.04.02

『まよなかのだいどころ』モーリス・センダック

寝静まった家の中で行なわれている秘密のできごと

まよなかのだいどころ夜、ミッキーがベッドに入り眠ろうとしていると、階下からさわがしい音が聞こえてきます。あんまりうるさいので怒鳴ったら、暗闇に落っこちて、はだかになっちゃって、おりたところは明るい真夜中の台所。そこには3人の頭の大きなパン屋さんがいて――。
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2004.03.25

『かいじゅうたちのいるところ』モーリス・センダック

ひと晩の冒険、なのか?

かいじゅうたちのいるところ表紙ある晩マックスは、おおかみのぬいぐるみを着ると、大暴れ。「このかいじゅう!」。とうとうマックスは、怒ったお母さんに夕ごはん抜きで寝室に放り込まれた。すると寝室に木が生えだして、みるみるうちに、かいじゅうたちのいるところ。
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2004.03.09

『イワンとがらくたべやのともだち』マルタ・コチ

いつからわたしは、がらくたの価値が
わからなくなってしまったのだろう

イワンとがらくたべやのともだちイワンの家の屋根裏部屋は、古い長いすやがらくたばかり置いてある、がらくた部屋。イワンはがらくた部屋が大好き。飛び乗ると「ぼよよよーん」とイワンを受け止めてくれる長いすは「ボヨン」、「ちゅー」と鳴いて「たん」と足踏みをするねずみは「チュータン」。どちらもイワンの仲良しだ。ある日、家の前にトラックが停まって、がらくたを運んで行ってしまった――。
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子どもはだれしも、秘密基地にあこがれる。わたしも昔、プレハブの空き家に入り込んで、友達と秘密基地を作ったことがある。お気に入りの本やがらくたを置いた、それはわたしたちにとってすごく大事な場所だった。イワンにとってがらくた部屋は、そんな秘密基地だった。

仲良し2人(?)にイワンがつけた「ボヨン」と「チュータン」という名前が、すごくいい。イワンと一緒にボヨンの上で、チュータンと遊んでいるかのように、彼らが身近に感じる。そばかすだらけのイワンの顔が、またいいんだ。絵には郷愁を誘われる。

でも、大人には「がらくた」の価値がわからない。お母さんは、ゴミ集めの車にがらくたを運ばせてしまった。そういえば、ああ、わたしもいつから、がらくたの価値がわからない大人になってしまったんだろう。胸を痛めながら、読み進める。

三輪車に飛び乗り、ボヨンとチュータンを探しに行くイワン。がんばれ、がんばれ! 空き地に積まれたゴミの山。チュータンとは再会することができたけど……。

よく みると,ボヨンは おもい がらくたの したで,ぺちゃんこ。
 イワンとチュータンのなみだが,ボヨンのうえに,ぽとり,ちろんと,おちた。

チュータンと出会えたイワンの、うれしそうな、やさしい顔。子どもがこんなに大切にしていたものを、それと気づかず大人は処分してしまうことがある。イワンの身になりながら、ともにボヨンを思って夜空の月を見上げ、イワンの母の身になりながら、大人になってしまった自分の非情さと無神経さを少し呪った。

「秘密の宝物を持つ」というこの感覚、3歳の息子はまだ持っていないかな? それがわかるようになると、より深くこの絵本が心にしみるだろうなと思いながら、「ぼよんは なんでつぶれちゃったの?」と問いかけてくる、息子の顔を見つめた。

▼オススメ度
よん(母)------------> ★★★
ルンバ(長男/3歳)-> ★★☆

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▽マルタ・コチ(作・絵)関根榮一(文)/学習研究社(2003/10復刊)
※1972年創刊の月刊保育絵本「学研ワールドえほん」に掲載された、370以上のタイトルの中から厳選して復刊されたシリーズ絵本「ワールドピクチャーブック」の1冊。

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2004.03.08

『くいしんぼうのあおむしくん』槇ひろし/前川欣三

へんてこ虫が巻き起こす、奇想天外ストーリー

くいしんぼうのあおむしくん空と同じ色をした変な虫が、まさおの帽子を食べていました。帽子を食べながら、だんだん大きくなっていきます。それは、本当にくいしんぼうな虫でした。ある日、まさおの絵本やおもちゃを食べてしまったと思ったら、パパやママ、街という街、国という国を食べ始めてしまったのです!
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「あおむし」と言っても、この絵本に登場するのは蝶の幼虫ではなく、空色の「青い虫」。まんまるくて、足がたくさんついた、へんてこな虫です。彼はおなかが空くと、なんにもわからなくなってしまい、ただ食欲のおもむくままに周囲にあるものを食い尽くしてしまいます。けれどまさおのことだけは、「友達だから」と食べません。

こういう変な生き物、なんでも食べちゃうという設定は、息子が好きそうだ…と思っていたら、案の定。子どもにとっては「食べられちゃう」ということが、危機感として一番ピンと来るみたいです。考えてみれば、お話の主人公が瀕する危機ってオオカミやら鬼やら、なにかしらに食べられそうになる、というのが多いですものね。

途中、公害を引き起こしていた工場を食べ尽くしてくれたあおむしくんに感謝して、街の人がごちそうを用意してあおむしくんたちをもてなしてくれます。ところがあおむしくん、料理だけでなく、それを用意してくれた街の人も全部食べてしまうのです。このくだり、読んでいてちょっとびっくりしましたが、こんな感じでこの絵本、そこここに環境問題を引き起こした人間への風刺をなんとなく感じさせます。他人任せで公害が解決したと喜んでも、あおむしくんにとっては工場の人も町の人も同じ「人間」でしかない。

最後にはとうとうまさおもあおむしくんに食べられてしまいますが、あおむしくんのおなかの中には食べられたはずの街も国もちゃんとあったのです。もちろん、「なくなった」と人々が喜んだ工場も一緒に。人間が作った工場なのだから、他人=あおむしくん任せで都合よくなくなることはないんだよ、と言われているような気も。とは言っても、なんとなくそういう空気が漂っている気がするという具合なので、幼い息子はもっと単純に「ああ良かった、みんな元通りだ」と喜んでいます。最後にホッとできることが、息子にこの絵本を何度も読みたいと思わせる所以でしょう。

わたしは最後の一文が好き。

だから
 そらは あおく あおく すきとおった あおむしくんの おなかのなかの いろでした

ここを読むと、心がじんわりあたたまるような気がするのです。

▼オススメ度
よん(母)------------> ★★☆
ルンバ(長男/3歳)-> ★★☆

▼『くいしんぼうのあおむしくん』>>amazon >>bk1
▽槇ひろし(作)前川欣三(画)/福音館書店(1975/10発行、2000/09単行本化)

#追記
歯みがき前の絵本と、それから・・・さんで、この絵本が取り上げられていたので読んでみたら、奥付を見落としていたことに気が付きました。この絵本、初出は1975年なんですね。環境問題が取りざたされているいまの時代にあまりにフィットした物語だったので、単行本化された2000年が初出だと疑いなく思っていました。25年の年月を経て単行本化されたのは、そのためかも知れないですね。

それと、裏表紙にさらなる展開が描かれているのも見落としていました。絵本読みとしてはまだまだ未熟者のわたしです。mizu-kさん、ありがとうございました。

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2004.02.17

『からすのパンやさん』かこさとし

焼き立てのパンの香りが漂ってきそう

からすのパンやさんからすの街・泉が森の黒文字三丁目にあるパンやさんに、四羽の赤ちゃんが生まれました。お父さんとお母さんはにこにこうれしくて、四羽を優しく大事に育てました。そんなこんなで、大きくなった子どもたちがお父さんの焼いたおやつパンをおいしそうに食べていると、その姿を見てうらやましくなったほかのからすの子どもたち、パンやさんにパンを買いに行くことにします。そこでパンやさんは、子どもたちも一緒に一生懸命考えて、とっても素敵な変わった形の、たのしいおいしいパンをたくさん作ったのでした。パンを求めてからすの大群がパンやさんに押しかけたから、さあ大変です。

* * * *

30年以上も読み継がれてきた、かこ さとしさんの絵本。この作品の一番の目玉は、なんといってもからすの家族が焼き上げた、おいしそうなパンの数々です。ページをめくっただけでほかほか焼き立ての香ばしいにおいがただよってきそうなほど、つややかで魅力的なパンがたくさん描かれています。子どもは、いや大人も、おいしそうな食べ物の出てくる絵本が大好きですから、もうこれだけで「からすのパンやさん」のとりこになること間違いなし。しかもからすたちの焼き上げたパンの種類の多さときたら! パンの名前を一つひとつ読み上げているだけでも、とっても楽しいのです。

そしてもう一つの見どころは、大勢登場するからす1羽1羽の表情です。画面の隅にいたるまで、みんながのびのび生き生きと描かれています。作者のかこ さとしさんは、登場人物一人ひとりの人物描写が心憎いまでの人間的ふくらみと細やかさで描かれたロシアのモイセーエフ舞踊団の舞踊を見たことから、

個々の生きた人物描写と全体への総合化の大事なことを、わたしはモイセーエフから学び、さて、からすの一羽一羽に試みてみたのがこの作品です。

なのだと「あとがき」で述べておられます。

とにかく、長く読み継がれている絵本には、やはり人の心をとらえて離さない魅力があるものなのだなと、あらためて感じる作品。長男ルンバ(3歳)もパンが描かれたページが大好きで、「ルンバくんはこれたべるよ。ママは?」と絵本の世界にすっかり入り込んで、からすのパンを味わっています。何度読んでも楽しくおいしい絵本です。

▼オススメ度
よん(母)------------> ★★★
ルンバ(長男/3歳)-> ★★★

▼『からすのパンやさん』詳細 >>amazon >>bk1
▽加古里子(かこ さとし)(著)/偕成社(1973/09)

▼関連情報
かこさとしさんインタビュー:YOMIURI BOOKSTAND
かこ さとしさんって、実は工学博士、科学者でもあるんですね。

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2004.02.09

『おばけのてんぷら』せな けいこ

おとぼけうさことイタズラおばけの楽しいお話

おばけのてんぷら食べることが大好きな うさぎのうさこは、ある日てんぷらを作ります。にんじんにおいも、さやえんどうにかぼちゃ、それからたまねぎ…。「てんぷらは揚げたてに限るわ」と揚げるそばからおいしそうにてんぷらをパクつく うさこ。そのおいしそうな匂いを嗅ぎつけて、おばけがつまみ食いにやって来ました。はたしてタイトルの意味やいかに?!
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2004.01.23

『しろくまちゃんのほっとけーき』わかやまけん

夢のおやつができるまで

しろくまちゃんのほっとけーきホットケーキはわたしにとって幸せな思い出がいっぱいつまったおやつです。子どものころは